JR美祢線の「鉄道復旧」を断念! 廃止してBRT化!?

美祢線

2023年7月1日、山口県では線状降水帯が発生、数十年に一度という大雨となり、山口県内の厚狭駅(山陽小野田市)と長門市駅(長門市)を結ぶJR美祢線(みねせん)では鉄橋が流出するなどの大きな被害を受けました。沿線3市、山口県、JR西日本では協議を続けてきましたが、「鉄道復旧」を断念、BRTとして復旧することになりそうです。

JR西日本はBRT転換を提案しますが、整備費用も必要

JR美祢線は大雨の被害で、区間運転もなく46kmの全線で運休。
JR西日本は、近年の利用者の低迷もあって、費用をかけての復旧には消極的で、運営費が割安なBRTの方が持続可能性が高いとしていました。

2025年7月16日、山陽小野田市で開かれた会議には、沿線3市の市長、山口県、JR西日本、沿線の経済団体などから16人が出席。
復旧までの期間が最短でも10年も要し、自治体の費用負担も見込まれることから鉄道での復旧を断念する方針が確認されました。

残される復旧策は、BRT(bus rapid transit=バス・ラピッド・トランジット)、あるいは路線バスということになりますが、JR西日本は「BRTによる復旧が適当」としているので、BRTが有力ということに。

一部の鉄橋崩落箇所を除けば、廃線跡をバス専用道路に転用するメリットもあり、2011年の東日本大震災により使用されなくなったJR気仙沼線、JR大船渡線は、気仙沼線・大船渡線BRTに。
さらに2017年の九州北部豪雨により使用されなくなった日田彦山線の線路敷には日田彦山線BRT(JR九州バス)が走行し、一般道を走るBRTも増加しており、今はBRTがブームのような感じに。

自治体がBRTを検討する理由のひとつが「国がBRTを推奨している」こと。
2022年9月、国土交通省は『道路空間を活用した地域公共交通(BRT)等の導入に関するガイドライン』を公表し、「速達性、定時性、輸送力」というBRTのメリットが強調された内容になっています。

災害で休止となっていた日高本線の鵡川駅~様似駅間もBRTへの転換を目指しましたが、結果、専用路線への転換の工事費用だけで93億円という見積もりで、バス輸送に踏み切っているので、JR美祢線に関しても、今後の自治体の負担がネックとなる可能性もあります。

JR美祢線の「鉄道復旧」を断念! 廃止してBRT化!?
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

よく読まれている記事

こちらもどうぞ