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地下秘密要塞「赤山地下壕跡」を見学|館山市

太平洋戦争の敗色が濃厚となり、アメリカ軍の房総半島上陸の可能性が囁かれた戦争末期、館山市に海軍は秘密基地を構築します。
秘密基地ゆえに、いつ頃掘られたのかも不明確な地下壕ですが、謎を秘めながらその一部が公開されています。

秘密基地ゆえにいつ造られたのかのも謎!

正式名称は、館山海軍航空隊赤山地下壕跡。
アメリカ軍の空襲が激しくなった太平洋戦争の終りの頃、この赤山地下壕が、館山海軍航空隊の防空壕として使われていたことはハッキリしています。
一説には終戦の10年ほど前、つまりは昭和10年頃に、赤山の海岸部で埋め立てが行なわれたという証言もあるので、壕を掘り、掘った土で埋め立てという一石二鳥の基地拡張を密かに進めていた可能性があります。

「全長が1.6kmにも及ぶ大規模な地下壕が昭和16年の太平洋戦争開戦の前に掘られた例はありません。内部の状況から突貫で工事が進められたと推測できるので終戦間近、昭和19年より後に建設されたのではないかと推測できます」(館山市教育委員会生涯学習課)とのこと。

ただし、地元には、住宅の立ち退き、青山学院水泳部の合宿所現在(現在はプールになっています)の立ち退き時期などから考慮して、もっと前(昭和16年頃開戦時頃)に造られていたという人もいて建設の時期すら定かになっていません。
まさに地元でも秘密基地だったなのです。

地下壕の場所は、海上自衛隊第21航空群館山航空基地のすぐ南側に、「赤山」と通称される標高60mの小高い山の内部です。
海上自衛隊第21航空群館山航空基地のある場所は、実はかつて館山海軍航空隊のあった地。
旧館山海軍航空隊司令部はそのまま館山航空基地の本部として使われています。

赤山地下壕跡の受付は、豊津ホールと呼ばれる館山市の公共施設。
豊津ホールのすぐ背後に迫る山に赤山地下壕があるわけでなのです。
この豊津ホールで受付を済ませると、ヘルメットが手渡されます。

「突貫工事で秘密基地を築いたため、狭い部分もあるので、頭をぶつけたりして怪我をしないように」(館山市教育委員会生涯学習課)
との配慮だそうです。

真珠湾攻撃を想定した訓練も館山で行なわれた!

豊津ホールから海側に伸びる細い道は、かつてトロッコ軌道が敷かれていたのだとか。
港へ、そして司令部と結び資材や、弾薬、燃料などの移送に使われ、その軌道は地下壕まで通じていました。

館山海軍航空隊基地は、真珠湾攻撃のための実戦を想定した最終訓練が行なわれた場所。
冬に西風を受ける滑走路は、航空母艦の短い甲板の距離を想定した戦闘 機の離発着訓練には最適な飛行場だったのです。

館山湾を真珠湾に見立てた訓練すら行なわれました。
このことから考えても、大日本帝國海軍には、館山に特別な思いがあったことがよくわかります。
開戦時にはすでに着々と地下壕、つまりは地下秘密基地を掘り進めていたのかもしれません。

赤山地下壕跡
名称赤山地下壕跡/あかやまちかごうあと
所在地千葉県館山市宮城192-2
関連HP館山市公式ホームページ
電車・バスでJR館山駅東口から日東バス館山航空隊行きで10分、みやぎ下車、徒歩3分
ドライブで東京湾フェリー金谷港から約25km
駐車場18台/無料
問い合わせ豊津ホール TEL:0470-24-1911/FAX:0470-24-1911
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

全国に築かれた地下壕

松代大本営=長野県埴科郡松代町(現長野市松代地区)、昭和19年10月着工。長野飛行場が近くにあった。象山地下壕が一般公開

連合艦隊総司令部日吉台地下壕=神奈川県横浜市港北区、 昭和19年8月着工、日吉台地下壕(慶応大学日吉キャンパス内)、非公開ですが、定例見学会は日吉台地下壕保存の会が毎月2回(第2水曜・第4土曜)に実施

浅川地下壕=東京都南多摩郡浅川町(現・八王子市初沢町・高尾町)、昭和19年9月着工、中島飛行機の地下秘密工場(金比羅山地下陸軍浅川倉庫)

松代象山地下壕

第2次世界大戦末期、本土決戦に備えて、大本営(だいほんえい)や政府中核を長野県の松代(まつしろ=現・長野市松代町)に移すという計画のもとに掘られた大地下壕が、松代象山地下壕(まつしろぞうざんちかごう)。秘密裏に工事が開始されたのが、昭和19

赤山地下壕跡

千葉県館山市にある館山海軍航空隊の地下壕。総延長約1.6kmの地下壕(トンネル)で、太平洋戦争末期の昭和19年頃から建設が始まったと推定されています(建設年代は太平洋戦争開戦以前とする説もあり定かでありません)。受付は、入口に位置する「豊津

 

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