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軽井沢で天然氷のかき氷 シブレット(渡辺商会)

街道時代には中山道・軽井沢宿として栄えた軽井沢のメインストリートの奥、軽井沢ショッピングアレイの一角にあるのが天然氷のかき氷が味わえる店「シブレット」。実はこの店、軽井沢では今やただ一軒、天然氷を製造する渡辺さん(渡辺商会)の直営店です。

外国人別荘族御用達だった天然氷

天然氷とは、厳しい冬の自然を活かし、清冽な湧き水などを凍らせたもの。
厳冬期、氷池に水を張り、落ち葉や雪を取り除きながら、手間隙かけて氷を厚く育てていくのです。
氷が薄い状態で雪が積もれば一からやり直し。結構手間暇がかかるのが天然氷。

明治19年、カナダ人(当時のカナダはスコットランド領)宣教師、アレクサンダー・クロフト・ショー(Alexander Croft Shaw)は、たまたま訪れた軽井沢の気候風土がを故郷トロントに似ていると感じ、中山道に代わる新道(現在の国道18号旧道)の開通で衰退が始まった宿場の旅籠を夏の別荘として「避暑地・軽井沢」を見出します。

そんな外国人たちに対応する商売が生まれます。おやきの技術を活かしてベーカリーが生まれ、肉などの生鮮食品の保存用に天然氷が用いられました。電気冷蔵庫などない時代、冷却には氷が必須だったのです。
その天然氷を別荘まで届けたのが、渡辺商会の始まりで、「軽井沢にショーさんが来なければ、ウチの天然氷はなかった」(社長の渡辺武文さん)。

夏場は自らシブレットを切り盛りする渡辺社長によれば、天然氷はゆっくりと時間をかけて固まる(15日〜25日)から、密度の濃い氷が生まれるのだとか。

清少納言の『枕草子』、紫式部の『源氏物語』にも登場と、平安貴族も愛した天然氷。
現在、日本で天然氷を扱う氷室があるのは渡辺商会を含めてわずかに5軒。松月氷室(栃木県日光市今市)、四代目徳次郎(栃木県日光市霧降高原)、三ツ星氷室(栃木県日光市平ケ崎)、阿左美冷蔵(埼玉県秩父郡皆野町金崎)。
避暑地・軽井沢の歴史を伝える天然氷を製造するのもここ渡辺商会だけです。

ちなみにシブレット(ciboulette=フランス語)は、英名がチャイブ(chives)、和名がエゾネギ。避暑地・軽井沢のホテルでレストランの洋食のツマとして栽培された歴史があります。

渡辺商会社長の渡辺武文さん
シブレットは渡辺商会製氷販売部。不動産販売も行なう、「渡辺商会グループ」の一部
シブレット
名称 シブレット/しぶれっと
所在地 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢旧軽井沢668軽井沢ショッピングアレイ
電車・バスで JR北陸新幹線・しなの鉄道軽井沢駅北口から草軽交通バス草津行、または、旧軽井沢銀座シャトルバスで7分、旧軽井沢下車、徒歩8分
ドライブで 上信越自動車道碓氷軽井沢ICから約10km
駐車場 なし
問い合わせ シブレット TEL:0267-42-2222
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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