平成4年7月1日の山形新幹線(東京駅〜山形駅間)開業にあわせて開発されたのが、米沢駅・新杵屋の駅弁、「牛肉どまん中」。山形県産米「どまんなか」を使い、その上に特製のタレで味付けした牛そぼろと牛肉煮をのせた牛丼風の駅弁で、今では全国駅弁の中でも1、2を争う人気駅弁にまで成長しています。
名の由来は、牛肉弁当に最適な山形県産米の名前だった!
その人気を反映して、通常の「牛肉どまん中」のほか、「牛肉どまん中 しお」、「牛肉どまん中 みそ」も登場し、好みに合わせて味わえる仕組み。
米沢駅は、明治32年5月15日、官設鉄道奥羽南線の終着駅として開業した歴史ある駅で、新杵屋は大正10年に創業の菓子店が、昭和32年、駅弁の販売を始めたもの。
山形県産米「どまんなか」(平成4年に「はえぬき」とともにデビュー)は、生産量が少ない米ですが、冷やご飯も美味しいという特徴があるため、駅弁にはぴったりで、あえてこの名を採用したのも、「ごはんに自信がある」から。
おいしさのどまんなかを突き抜ける味わいの米であることを表現して「どまんなか」という名前が付けられたのですが(食味の良さは、20年連続で食味ランク特Aの「はえぬき」を凌ぐほど)、冷害に弱いため、敬遠されて生産量が少ない貴重な山形のブランド米でもあるのです。
しかも「タレに絡みやすい」という特徴があるため、牛肉弁当には、まさに最適だったのです。
もうひとつの特徴がタレ。
「和菓子屋だった新杵屋にしかできない独自製法のタレ」と自慢するように地元の醤油にこだわり、何時間も費やして肉の旨味を引き立てる味わいに仕上げているのです。
にしんの昆布巻、小芋煮、人参煮、卵焼き、かまぼこ、桜漬けが箸休めとなり、なかなかの豪華版となっています。
駅弁ファンには、創業当初の昭和32年に東北初の牛肉弁当として発売された「元祖 牛肉弁当」も有名ですが、今では「牛肉どまん中」に圧倒され、少し影の薄い存在に。
山形新幹線車内販売、そしてデパートの駅弁まつりなどで、じわじわと人気が広がり、今では牛肉の駅弁の筆頭になっています。
「元祖 牛肉弁当」は、ご飯の上に糸こんにゃくの煮つけと秘伝のたれで味付けした牛肉煮がのっているので、機会があればぜひ食べ比べも。
全国の人気駅弁(2) 牛肉どまん中(新杵屋) | |
名称 | 新杵屋 |
所在地 | 山形県米沢市東3-1-1 |
関連HP | 新杵屋公式ホームページ |
電車・バスで | JR米沢駅から徒歩1分で本社工場直売店 |
問い合わせ | 新杵屋 TEL:0238-22-1311/FAX:0238-22-1312 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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