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富士宮市の「富士五山」とは!?

富士五湖という地名はよく耳にします。富士山北麓(山梨県)の5つの湖が富士五湖。
ではでは、富士五山という名を耳にしたことは?

富士宮市にある日蓮宗系の名刹5ヶ寺

「富士宮市には世界文化遺産の構成要素は、富士山本宮浅間大社をはじめ合計5ヶ所あります。このほかにも田貫湖、富士五山、信長公の伝説や史跡が残る芝川などの観光資源に恵まれています」(富士宮市観光協会)。

富士宮市観光協会がサラリと言ってのける富士五山とはいったい何なのでしょう?

富士宮市観光協会の解説によれば、
「鎌倉時代末期、日蓮宗を開いた・日蓮上人の高弟の一人である日興(にっこう)上人および、その弟子たちによって開創された日蓮宗系の寺院5ヶ寺」
とのこと。

その富士五山は、
上条大石寺(日蓮正宗)
北山本門寺(日蓮宗)
西山本門寺(単立寺院)
小泉久遠寺(日蓮宗)
下条妙蓮寺(日蓮正宗)

日蓮の高弟六老僧の一人、日興上人(白蓮阿闍梨)は、日蓮が立正安国論を著した実相寺(現・富士市)で日蓮に師事。
駿河国富士郡(現在の富士宮市)に大石寺(たいせきじ)、さらに北山本門寺(重須本門寺)を開山。
その弟子の日代は西山本門寺、弟子の日郷が小泉蓮蔵坊(小泉久遠寺)、日華が下条妙蓮寺をひらいています。
日興上人とその流れを汲むこれら5つの日蓮宗系の寺の総称が「富士五山」というわけなのです。

大石寺(日蓮正宗)

五重塔(重要文化財)、御影堂(県指定文化財)、三門(県指定文化財)などの堂宇が見事。
「五重塔は東海道筋一の規模」(富士宮観光ボランティアガイド)とのこと。
ただし、霊宝虫払大法会が行なわれる毎年4月6日・7日は、一般の立ち入りが禁止されるのでご注意を。

名称 大石寺(日蓮正宗)
所在地 静岡県富士宮市上条2057

北山本門寺(日蓮宗)

日蓮宗の七大本山のひとつで山号は富士山。日興は永仁元年(1293年)に石川能忠の寄進をうけて北山に重須談所を設け、堂宇を整備。富士山を眺める地に建立された根本中の根本の寺で、本門寺という寺の名も根本という意。
「第9世日出上人は徳川家康の甲州攻めに際し、曼荼羅を贈っています。敵の弾が家康を避け、曼陀羅に当たったと伝わる鉄砲曼陀羅が寺宝として残されています」(富士宮観光ボランティアガイド)。

名称 北山本門寺(日蓮宗)
所在地 静岡県富士宮市北山4965

西山本門寺(単立寺院)

江戸時代に徳川光圀の寄進を受けて伽藍が整備された寺。境内の大きな柊(ヒイラギ)は、静岡県指定天然記念物。
寺伝によれば、18世日順の父・原宗安(原志摩守)は、本因坊日海(本因坊算砂)の指示で、織田信長の首を西山本門寺まで持ち帰り、柊を植え首塚に葬ったという。
「信長と一緒に本能寺にいた原志摩守宗安が、信長の首を介錯したあと、本能寺を脱出、山伝いに駿河まで首を運んだ」(寺関係者の話)。
ちなみに原宗安の父・胤重と兄・孫八郎清安は信長とともに本能寺で討ち死にしています。
「20世日円上人は徳川光圀(とくがわみつくに=水戸黄門)の子であり、水戸黄門でお馴染みの助さんこと佐々宗淳(さっさむねきよ)は当山に一ヶ月ほど滞留しています」(富士宮観光ボランティアガイド)。

名称 西山本門寺(単立寺院)
所在地 静岡県富士宮市西山671

小泉久遠寺(日蓮宗)

やはり山号は富士山。建武元年(1334年)正月、創建。
「もともと法華寺といっていた寺を久遠寺と改称し開創されました」(富士宮観光ボランティアガイド)。

名称 小泉久遠寺(日蓮宗)
所在地 静岡県富士宮市小泉1649

下条妙蓮寺(日蓮正宗)

山号は多宝富士山。正式名称は妙蓮寺。表門と客殿は、富士宮市指定文化財。
「この地の地頭・南条時光の妻・妙蓮尼の一周忌供養の際に上野郷南条氏の屋敷跡に創建しています」(富士宮観光ボランティアガイド)。

名称 下条妙蓮寺(日蓮正宗)
所在地 静岡県富士宮市下条688

 

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