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【信州の池】東山魁夷が名画『沼』を描いた戸隠・古池|長野県信濃町

戸隠高原・古池の初夏(5月中旬〜6月上旬)にはミツガシワとリュウキンカの群生が圧巻。三枚の小葉がカシの葉に似ているためミツガシワと呼ばれるこの花、東山魁夷の心を掴み、名画『沼』を生み出しました。

古池は初夏にミツガシワが咲き乱れる!

東山魁夷の心を掴んだミツガシワの花

戸隠高原と黒姫駅を結ぶ鳥居川沿いの県道36号(信濃信州新線)の大橋近くにハイキングコース「種池・古池コース」の入口があり、入口から黒姫山方面に歩けばすぐに種池、続いて古池が現れます。大橋(大橋林道入口)〜徒歩5分〜種池・古池コース入口〜徒歩10分〜種池〜徒歩8分〜古池。ちなみに大橋が信濃町と長野市の境界です。

標高1158mにある種池は、古くから霊域で雨乞いの神事も行なわれる霊水。
種池から、水を桶に汲んで戸隠神社に供え、そこで神主から雨乞いの祈願をしてもらい、祈祷された水を田んぼに注げば無事に雨が降るのだとか。
戸隠神社の年中行事として、6月の巳の日には今も『種池祭』が斎行されています。

標高1217mの古池はもともと湿地だった場所で、実は中部電力の水力発電用(池の水が水路で鳥居川第三発電所に運ばれています)に築かれたため池です。
しかし、黒姫山を仰ぐその景観からは人工の池とは思えない静寂さ。
しかし古池は釜状になった地形が、固有種を守り、他の場所では観察できない珍しい植物が残されています。

「ずいぶん以前に信濃路の旅で見つけた小さな白い花。それがいつ迄も心のすみに残っていた。帰ってから植物図鑑で調べたら「ミツガシワ」とのこと。それ以来、静かな沼に知れず咲いていた可憐で楚々とした花が忘れられなかった。薄明の青い色の中で見た、その印象を描いてみた」(東山魁夷自選画文集5『自然への讃歌』集英社刊)。

駐車場は大橋林道入口の駐車スポットに10台、「種池・古池コース」入口に3台ほど。

紅葉の古池はハイカーに絶大な人気があり、現在は黒姫山の登山コースにもなっています
古池・種池
名称 古池・種池/ふるいけ・たねいけ
所在地 長野県上水内郡信濃町野尻
電車・バスで JR信越本線黒姫駅からタクシーで黒姫山登山道入口へ徒歩30分
ドライブで 上信越自動車道信濃町ICから約13km、黒姫山登山道入口から徒歩30分
駐車場 大橋林道入口駐車スペース(10台/無料)、種池・古池コース入口(3台/無料)
問い合わせ 信州しなの町エコツーリズム観光協会 TEL:026-255-3226/FAX:026-255-5454
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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