取材班が白馬村・小谷村・大町市・池田町・松川村を縦横無尽に調べた結果、取材班が選んだ【白馬・大町歩かず眺める絶景BEST33】を選定。第19位は小谷村の大崩落跡です。
日本三大崩れのひとつ
「日本三大崩れ」という耳慣れない言葉があります。有史以来に起きた歴史上語り継がれる国内の大崩落がそれ。宝永4(1707)年の宝永地震で起きた大谷崩れ(静岡県)、安政5(1858)年に飛越地震により発生した立山の鳶山崩れ(富山県)、そしてこの小谷村で明治44年に発生した稗田山崩れが「日本三大崩れ」に数えられています。
明治44年8月8日、白馬連峰のひとつ乗鞍岳(2456m)から派生する尾根のピークが稗田山(1443m)が山体崩壊を起こし、大量の土砂が山麓の集落や道を飲み込んだのです。「日本三大崩れ」のうち、大谷崩れと鳶山崩れは大地震がきっかけ。ところがこの稗田山崩れは地震が原因ではなく、今も原因がまったくわかっていません。まさに謎の大崩壊だったのです。
そんな稗田山崩落跡を一望にする絶景の地が、浦川橋(稗田山崩落跡展望地)。橋の近くには園地が整備され、稗田山崩れの犠牲者の慰霊と災害を後世に語り継ぐ指標になってほしいとの思いを込めて、この地を見聞して『崩れ』という作品を残した作家・幸田文の文学碑も建立されています。
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