「さんが焼き」、「あわびちらし」、「あさりめし」と「郷土料理を駅弁でお召上がり下さい!」というのが安房鴨川駅に駅弁を出す「南総軒」。
その豪華新駅弁が「波の伊八弁当」です。
「伊勢海老まるまる一匹」が売りの駅弁
「南総軒」は昭和4年創業の老舗駅弁屋さん。近年は、宅配弁当、仕出し弁当(会議用弁当)、オードブルなどと多角経営で、駅弁の落ち込みを補っているのだとか。
コンビニ弁当などに比べて駅弁が高く感じる若い世代が増えていますが、
「実は駅弁はすごく管理が厳しい。だから安心、安全な郷土料理として見直されています」
とは駅弁事情に詳しい旅行ライターのIさん。
そんな駅弁見直しブームにのって登場したのが、「南総軒」の「波の伊八弁当」。「伊勢海老まるまる一匹」と表紙に謳(うた)っているように、伊勢海老まるごと1匹の炊き込みご飯がメインで、タコの炊き込みご飯、外房漁師料理さんが焼、鴨川産ひじき甘酢和えが入っています。
「波を彫らせたら天下一」の波の伊八とは!?
駅で売っているのかといえば、残念ながら「4日前のご予約で、5個より承ります」とのこと。
グループ旅行なら、予約するのも手でしょう。
値段は1800円。
ちなみに波の伊八は「波を彫らせたら天下一」と謳われた安房国長狭郡下打墨村(現・千葉県鴨川市打墨)生まれの名工。
鴨川市は、波の伊八こと、宮彫師・武志伊八郎信由の出身地。
鴨川市には大山寺(別名:大山不動/千葉県鴨川市平塚1718)に波の伊八の彫った龍が、金乗院(千葉県鴨川市打墨709)に龍や「酒仙の図」(しゅせんのず)が残されています。
ん!? 波の伊八と弁当の関係は?
どうやら、外房漁師料理の「さんが焼き」など海=波関連ということのよう。
もうひと工夫欲しいといったら、欲張りでしょうか。
↑波の伊八の作品。迫力ある波の描き方は葛飾北斎の『富嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」などの画風に強く影響を与えたという
取材協力/カモ旅(鴨川市観光プラットフォーム推進協議会)
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