佐賀県嬉野市嬉野町、嬉野温泉公衆浴場「シーボルトの湯」近くににあるのが、シーボルトの足湯。文政9年(1826年)、オランダ商館長に随行しシーボルトが江戸参府の途中、嬉野温泉の藩営浴場(現在の古湯温泉)に立ち寄ったことが名の由来の足湯で、温泉街の中心部、旧長崎街道沿いにあります。
血行の良くなる嬉野温泉の効能を足湯で実感!
岩を配した湯船は、浅い岩風呂のような雰囲気。
平たい石に腰掛けて足を湯に入れる仕組みで、誰でも自由に入浴できます。
もちろん、源泉かけ流し。
嬉野温泉は、日本三大美肌の湯(ナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉)とあって、足はつけているだけですべすべになりますが、長時間つかれば、疲労回復はもちろん、肩こりにも効くとか。
日本の温泉分析の事始め
文政9年2月17日、長崎・出島のオランダ商館付き医師、フォン・シーボルトは嬉野温泉に立ち寄り、同行のオランダ人技師ハインリッヒ・ビュルガー(Heinrich Burger=医師シーボルトのもとで薬剤師を務めた日本最初の近代的薬剤師)が嬉野温泉の成分を化学分析しており、これが記録に残る日本の温泉分析の事始めです。
ビュルガーによる温泉水の分析は、試薬を順次加える方法で温泉水に含まれる化学物質を特定していく方法。
「湧き出る湯の温度は列氏74-75度(注/摂氏90度〜91度)。 石灰水には沈殿はない。酢酸鉛は水を強く乳濁された。硫酸酸化第一鉄は緑色となり、濃酸は気泡を生じず。没食子チンキと鉄青酸カリウムは変化を起こさない。塩化バリウムは強い白色沈殿をきたし、硝酸銀はそれを乳濁した。これらのことから、この水の中には、主として硫酸塩と少量の塩酸塩が溶解している」(『シーボルト江戸参府紀行』)。
シーボルトとビュルガーは、嬉野温泉のほか、雲仙小地獄、雲仙大地獄、武雄温泉などの温泉成分分析を行なっています。
小浜温泉では嬉野温泉の前年にビュルガーが温泉化学分析を行なっているので、嬉野温泉が日本初の温泉分析ということではありません。
シーボルトの足湯 | |
名称 | シーボルトの足湯/しーぼるとのあしゆ |
所在地 | 佐賀県嬉野市嬉野町下宿乙822-1 |
関連HP | 嬉野温泉観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR武雄温泉駅からJRバス嬉野温泉行きで30分、終点下車、徒歩7分 |
ドライブで | 長崎自動車道嬉野ICから約2km |
駐車場 | 嬉野市営シーボルトの湯第1・第2駐車場(52台/1時間30分まで無料、以降有料) |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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