北から割谷山(わるだにやま)、焼岳、白谷山(しらたにやま)、アカンダナ山と並ぶ焼岳火山群のうち、現在も唯一活動を続けるのが焼岳(やけだけ/標高2455.5m)。北アルプスを代表する活火山で、深田久弥が選んだ「日本百名山」の一座として登山の対象にもなっています。
「日本百名山」の焼岳は北峰のみ登頂可能
気象庁によれば、焼岳は安山岩・デイサイトの成層火山で、山頂部は溶岩ドーム。
4000年ほど前の噴火で下堀沢溶岩流、2300年ほど前の最新のマグマ噴火で、焼岳円頂丘溶岩、中尾火砕流が発生。山腹は火砕流堆積物でおおわれています。
焼岳山頂の溶岩ドームにはいくつもの火口があり、明治以降に起こった噴火は水蒸気爆発で、泥流を生じています。
上高地を流れる梓川をせき止め、大正池を生んだ大正4年6月6日の爆発は有名です。最近の爆発は昭和37年の水蒸気噴火。旧焼岳小屋が押しつぶされ噴石により2名の負傷者がでています。
山頂の三角点(南峰/崩落の危険があるため立ち入り禁止)の北側の火口に火口湖として正賀池があります。
TOPの画像は中ノ湯に下るルートの下山口となっているコルから撮影した正賀池です。
標高2444.3mの北峰には新中尾峠・焼岳小屋側から登山道が通じているので、到達できますが、北峰周辺では有毒ガスが発生しており注意が必要(2万5000分の1地形図にも噴気マークがあります)。
気象庁では現在、日本国内の火山110を活火山と認定。さらに火山活動の恐れのある火山34火山35峰を「噴火警戒レベルが運用されている火山」としていますが、焼岳もそのひとつ。
「活火山であることに留意」としています(最新の情報は気象庁のホームページを参照)。
気象庁では、焼岳周辺に地震計、傾斜計、空振計、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)を設置し、火山活動を監視しています。
焼岳は槍穂高連峰のパノラマ展望台
焼岳への登山は北側の新中尾峠からアタックするのが最短。上高地〜新中尾峠(焼岳小屋)〜展望台〜中尾峠〜焼岳・北峰と歩くルートです。
上高地の焼岳登山口から焼岳小屋まで徒歩2時間30分。さらに山頂まで1時間。
焼岳小屋は例年6月上旬〜10月下旬の土曜まで営業。予約なしで宿泊が可能です。
注目は、あまり知られていませんが、焼岳が槍穂高岳を眺望する絶景の展望台だということ。
それを証明する写真が下の画像です。
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag