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知立神社

知立神社

愛知県知立市西町にある平安時代編纂の『延喜式神名帳』に記載される古社が知立神社(ちりゅうじんじゃ)。三河国二之宮で、江戸時代には碧海郡、そして東海道五十三次の39番目の宿場、池鯉鮒宿(ちりゅうしゅく)の鎮守社にもなっていました。

社殿の配列は縦長の尾張造に

池鯉鮒は、刈谷を経て知多半島の先端・師崎(もろざき)へと至る、刈谷街道・知多街道(師崎街道)、幡豆(はず)方面への西尾街道の分岐点にもなっている交通の要衝。
旅人は神札を身につければ蝮(まむし)に咬まれないという「除蝮蛇神札」を目当てに参拝したのだとか。
今も名鉄の知立駅は名鉄三河線を分ける拠点駅(全列車停車駅)になっています。

社伝によれば、東国平定に赴いた日本武尊(やまとたけるのみこと)が戦勝を祈願して創建とされ、『日本書紀』などの六国史では、三河国内では砥鹿神(砥鹿神社=三河国一之宮)とともに最高位(従四位上)の神として記されています。

明治初年の神仏分離、廃仏毀釈までは嘉祥3年(850年)に円仁が創建したという神宮寺(神社を管理する寺、江戸時代には寛永寺末・総持寺、大正15年に再興)があり、境内にある永正6年(1509年)の再建の多宝塔(国の重要文化財)は神仏習合時代の貴重な遺構となっています。

社殿は、本殿、幣殿、祭文殿、回廊、殿を縦長に接続する尾張造(おわりづくり=真清田神社、津島神社、富部神社など尾張国の神社特有の配列)で、摂社の親母神社 (うばがみしゃ)、茶室「池鯉鮒庵」とともに国の登録有形文化財に指定されています。
社殿の前、神池にかかる石橋(花崗岩製の太鼓橋)は、享保17年(1732年)の造営で『東海道名所図会』にも描かれています。

境内にある芭蕉句碑(「不断たつ池鯉鮒の宿の木綿市」)は、元禄5年(1692年)に江戸・深川で詠まれたもので、三河木綿の集散地、池鯉鮒宿の賑わいを表したもの。
蕉門の俳人・井村祖風(無量寿寺に墓があります)が、寛政5年(1793年)に芭蕉の百回忌、詠まれて100周年を記念して建立したものです。

園内には明治神宮から分けられた花菖蒲を植栽する花しょうぶ園もあり、毎年5月25日~6月20日に『知立公園花しょうぶまつり』を開催(例年6月10日前後が見頃)。

毎年5月2日〜5月3日に斎行される例祭は『知立まつり』として有名で、隔年で開催される本祭(ほんまつり)の山車5台は絢爛豪華。
上演される人形浄瑠璃芝居の「山車文楽」と「からくり」は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

三河国の一之宮は砥鹿神社(豊川市一宮町)、三之宮は猿投神社(愛知県豊田市猿投町)です。

『東海道名所図会』
知立神社
名称 知立神社/ちりゅうじんじゃ
所在地 愛知県知立市西町神田12
関連HP 知立神社公式ホームページ
電車・バスで 名鉄知立駅から徒歩15分
ドライブで 伊勢湾岸自動車道豊明IC、豊田南ICから約4km
駐車場 60台/無料
問い合わせ 知立神社 TEL:0566-81-0055/FAX:0566-81-0058
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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