愛知県犬山市の丘陵地帯にある農業用溜池が入鹿池(いるかいけ)。愛知県に2000ヶ所ほどある農業用の溜池で最も有名な池で、農林水産省のため池百選、国際かんがい排水委員会(ICID)の世界かんがい施設遺産にも選定されています。一帯は飛騨木曽川国定公園に指定される風光明媚な環境。
江戸時代初期に築かれた農業用の溜池
堤高26.9m、堤長120.0mmの土堰堤(ダム)によって五条川などの水を堰き止めた152.1ha(周囲16km)という広大な溜池。
すぐ近くを流れる木曾川は暴れ川でもあり、氾濫するだけなく流路を変えるので、流域の農民にとって取水は容易ではなかったのです。
徳川家康は、慶長13年(1608年)〜慶長14年(1609年)、伊奈忠次(いなただつぐ)に命じて木曽川沿いに御囲堤(おかこいづつみ)と呼ばれる堤を築かせたため、さらに取水が困難になり、水争いが起こるようになりました。
そのため、丘陵地の谷を堰き止めての溜池造成が必要となり、発起人となった江崎善左衛門了也ら入鹿六人衆が河内国の甚九郎を招いて、寛永10年(1633年)に96間(175m)の大堤(百間堤=河内屋堤)が完成。
その後、補強されながら、近年までその堤が維持され、防災ダム事業計画で平成3年に修築されたのが現在の堰堤です。
ワカサギ釣りやブラックバス釣り(ボート釣り)で賑わいを見せ、湖畔の「見晴茶屋」などで受付(数軒並んでいます)。
ワカサギ釣りは、例年10月頃〜3月頃で、土・日曜、祝日は予約がおすすめ。
「見晴茶屋」では、菜めしでんがく定食、五平餅などでくつろぐことができます。
入鹿池のほとりには、尾張三山(尾張富士、本宮山、白山)の一座に数えられる標高275.0mの尾張富士、標高292.9mの本宮山がそびえ、尾張富士の山麓、池の横に広がるのが博物館明治村です。
紅葉の名所にもなっていて、見頃は例年11月中旬~12月上旬。
世界かんがい施設遺産は、国内に42ヶ所の登録地があり、愛知県内では入鹿池のほか、明治用水(安城市ほか)、松原用水・牟呂用水(現・豊川用水牟呂松原幹線水路、愛知県豊橋市ほか)が選定されています。
入鹿池 | |
名称 | 入鹿池/いるかいけ |
所在地 | 愛知県犬山市 |
関連HP | 犬山市観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 中央自動車道小牧東ICから約2km |
問い合わせ | 犬山市観光協会 TEL:0568-61-2825/FAX:0568-61-2512 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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