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2024年秋、ブナの実の成り具合は!? クマの出没予想は!?

ツキノワグマ

ブナの実の成り具合と熊の里への出没には相関関係があることがわかっていますが(2023年は大凶作でした)、2024年は比較的に豊作という予想が出されています。とくに長野県、富山県、東北などでは、紅葉シーズン(観光シーズン)、キノコ採りのシーズンが冬眠前のクマの活動と一致するので、注意が必要です。

ブナの実が豊作でも、「クマの出没情報」に注意が必要

林野庁東北森林管理局は、5月〜6月にかけて、国有林のブナの開花の状況を目視で調査し、樹冠全体にたくさんの花がついている=5、樹冠上部に多くの花がついている=3、ごくわずかに花がついている=1、まったく花がついていない=0という指数を定め、3.5以上が「豊作」、2.0以上3.5未満は「並作」、1.0以上2.0未満は「凶作」、1.0未満を「大凶作」と判定しています。

2024年は、青森県3.7(豊作)、岩手県3.2(並作)、宮城県3.7(豊作)、秋田県2.6(並作)、山形県3.3(並作)という開花状況でした。
秋の結実状況はその年の開花時(初夏)の予測と同程度または一段階下になる傾向があり、並作と判断された岩手県、秋田県、山形県では結実の段階では凶作の場所も出てくる可能性があります。

とくに秋田県は2.6と、東北6県のなかでも花の付き具合が芳しくありませんが、秋田県林業研究研修センターの「秋田県ブナ豊凶予想」では、田沢湖エリア、鳥海エリアが1平方あたりのブナの実の落下数が49個以下の「凶作」と判定されています(森吉山などは200個以上の豊作)。
このデータからは、田沢湖周辺、鳥海山周辺ではクマの出没にさらなる注意が必要ということになります。

中部森林管理局管内(東北森林管理局と区分方法が異なります)のブナの実の結実は(調査時期:8月下旬~9月上旬)、富山県東部ではブナは不作、長野県では北信=並作上、中信・木曽=豊作、南信=凶作という結果に。
岐阜県でもブナの実の結実は良くなく、里へのクマの出没が危惧される状況です。

クマは東北、長野県などではブナの実に代表される山中の食べ物が少ないと行動範囲が広がり、人の生活圏に出没する可能性が高まることから、実り具合の予測はその年の秋のクマの出没傾向の参考とされています。
ただし、クマの生態に詳しい専門家は、山の中に食べ物があっても人の生活圏で栗や柿の実の味を覚えてしまったクマは再び人里へ入ってくる恐れもあるため、クマの出没情報に注意するよう呼びかけています。

豊作だとその年の秋の出没数は減る傾向にありますが、一般的に秋に豊作となった場合はクマの栄養状態が良くなり、子グマが生まれやすくなるため、翌春に個体数が増え、来年の出没が増える可能性があります。
青森県などでは、秋に並作以上だった場合、母グマが子グマの餌を求めて行動範囲を広げる恐れがあるため、翌春に出没注意報を出すことになっています。

昨年「大凶作」だった東北ですが、「今年も目撃情報が相次いでいるため、豊作や並作でも油断せず、引き続き警戒を」(東北森林管理局)と呼びかけています。

2024年秋、ブナの実の成り具合は!? クマの出没予想は!?
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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