全国各県の最高峰で、もっとも標高の低い県は、千葉県。愛宕山(あたごやま/鴨川市)で標高408.2mですが、登山の対象としては、房総のマッターホルンと称される伊予ヶ岳(いよがたけ/南房総市)がおすすめです。房総丘陵では唯一山名に「岳」がつくピークで、アルペン的な岩峰です。
標高336.3mながら、ロープ、鎖場の危険箇所も!
伊予国(現・愛媛県)の石鎚山(いしづちさん)に似ているというのが山名の由来で、登山ルート途中には、ロープを頼りに登る場所、鎖場もあってスリルも満点。
安房斎部氏(あわいんべうじ=斎部氏は上古の大族で、古代に阿波斎部氏から分かれて安房国に移住した斎部氏のこと)が名付け親という伝承も有しており、太古のロマンをも秘めています。
その特異な山容から、かつては石鎚山同様、修験道の行場だった山で、かつては山頂に少彦名命(すくなひこなのみこと)を祀る石祠が安置され、山頂近くに雨乞の清龍権現(せいりゅうごんげん)が祀られていました。
南麓の平群天神社(へぐりてんじんしゃ)・伊予ヶ岳登山者駐車場を起点とすれば、50分ほどで南峰、二等三角点のある北峰へはいったん鞍部まで下り、登り返して徒歩5分ほどで到達できます。
温暖な南房総の山なので、まず、冠雪ということもありません。
登山口にも「この山は危険」と表示され、稜線にたどり着いた場所に四阿と展望台(テーブルとベンチもあり)があり、「ハイキングコースはここまでです。この先は大変危険ですので注意してください」と警告が出されています。
その先の南峰までの間にフィックスロープがあり、さらに鎖場と難所が連続します。
登山経験がなく、ファミリーなどでハイキング程度の装備なら、ここで引き返すのが無難です。
「日本のマッターホルン」と称されるのは、北アルプス・槍ヶ岳ですが、新潟県南魚沼市と湯沢町の境界にそびえる大源太山(だいげんたさん/1598m)は「東洋のマッターホルン」とPRされ、さらに奈良県と三重県の県境にそびえる高見山(1248m)が「関西のマッターホルン」、「阿波のマッターホルン」が徳島県三好市・つるぎ町の黒笠山(1703m)、「山陰のマッターホルン」が鳥取県琴浦町・江府町の烏ヶ山(からすがせん/1448m)、屋久島のマッターホルンがモッチョム岳(940m)という具合に、全国にご当地マッターホルンがそびえています。
そのなかでは、もっとも標高の低いのがこの「房総のマッターホルン」です。
房総のマッターホルン、伊予ヶ岳に登ろう! | |
所在地 | 千葉県南房総市荒川 |
場所 | 伊予ヶ岳 |
関連HP | 南房総市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR岩井駅から市営路線バスで天神郷、または、国保上院前下車、徒歩8分で登山口 |
ドライブで | 富津館山道路鋸南富山ICから約8kmで平群天神社 |
駐車場 | 平群天神社駐車場(20台/無料) |
問い合わせ | 南房総市観光協会 TEL:0470-28-5307 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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