長崎が発祥というカステラ。そのルーツを辿ると洋菓子という気もしますが、和菓子屋に並ぶことも多く、洋菓子を真似た和菓子という可能性も。実は、デパートでもカステラが置かれている場所は、和菓子売り場、洋菓子売り場と様々なんだとか。老舗の店ではどちらの扱いに!?
カステラを中心に、右に和菓子、左に洋菓子を並べる(文明堂)
まずは、長崎発祥のカステラですが、最古の歴史を誇る、寛永元年(1624年)創業、令和6年で創業なんと400年という「福砂屋」によれば、日本にカステラが伝えられたのは16世紀中期。
小麦粉、砂糖、卵を使って(材料の配合は、すべて同量)、蒸し焼き鍋に入れ、蓋をして火で上下から焼くというのがカステラの原型。
江戸時代初期から日本人の味覚に合わせて、発展した南蛮菓子がカステラということに。
カステラの歴史とともに歩んできた「福砂屋」ですが、商品のラインアップを見ると、カステラ、オランダケーキなどのほかに手作り最中もあって、洋菓子とは断言できない感じです。
長崎でもう一軒、天和元年(1681年)創業の「松翁軒」(カステラ元祖を称しています)も和菓子を扱っているので、まさに和洋折衷といった感じです。
カステラの語源は、中世ヨーロッパ、イベリア半島中央部にあったカスティーリャ王国(スペイン語Reino de Castilla/現在のスペインの一部)のポルトガル語的な発音「カステラ」(Castella)に由来し、ボロ・デ・カステラ(Bolo de Castella=カスティーリャ王国の菓子)が南蛮菓子(金平糖、ビスケットなども)として伝わったということなので、南蛮菓子ということでいえば、洋菓子の範疇と推測できます。
カステラといえば「カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂」の文明堂ですが、明治33年、長崎に創業。
文明開化後、ほぼ完成形のカステラ全国区までにしたのは文明堂ということで(文明堂も最中、羊羹などの和菓子を販売しています)、文明堂に確認すると、日本でうまれたお菓子のため「和菓子」、カステラは和菓子と洋菓子のいいとこどりなため「和菓子でも洋菓子でもある」というのが文明堂的な解釈なんだとか。
大正11年3月1日、東京に支店を開店し、東京進出を果たし、「カステラは一番 電話は二番(赤坂)」の名フレーズを生み出した2代目社長の宮﨑甚左衛門(みやざきじんざえもん)は、「カステラを中心にして、右手に和菓子、左手に洋菓子を並べる」と語っているので、和菓子、洋菓子のど真ん中! というのが正解かもしれません。
カステラは和菓子、それとも洋菓子!? | |
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