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菱川師宣記念館

菱川師宣記念館

千葉県安房郡鋸南町保田にある浮世絵の大成者で、代表作『見返り美人』など、数々の名画を残した菱川師宣(ひしかわもろのぶ)を紹介する施設が、菱川師宣記念館。「浮世絵の祖」として知られる菱川師宣は、安房国保田(現・鋸南町保田)の出身であることから建てられた浮世絵専門のミュージアムです。

生誕地の保田で、浮世絵を確立した菱川師宣を学ぶ

菱川師宣記念館の館内には菱川師宣が残した約200点の浮世絵をはじめ、歌川広重などの作品を展示しています。
菱川師宣の業績、浮世絵の歴史をメインに紹介していますが、『秋草美人図』などの版画、『昇り龍図』などの肉筆画、判本など貴重なものも多く、作品を通じて浮世絵の歴史や、当時の江戸庶民の風俗を垣間見ることができます。
また、江戸時代後期~明治時代の歌川豊国、歌川国芳、歌川広重、月岡芳年らの多色摺版画を様々な切り口で紹介、浮世絵や頼朝安房上陸などに関する企画展も随時開催しています。

映像シアターとして、菱川師宣の人物像を紹介する『大江戸のあけぼのを描いた男』は随時上映。

菱川師宣(本名は菱川吉兵衛)は、寛永年間の中頃(1630年頃)に保田に生誕。
父・菱川吉左衛門は、布地に刺繍や金銀箔を施す縫箔師(ぬいはくし)で京から保田に移り住んでいます。
家業を手伝い絵の才能を発揮した吉兵衛は、万治年間(1658年〜1661年)、海路江戸に出て浮世絵師という職業を確立。
それまでは単なる挿絵でしかなかった浮世絵版画を、鑑賞の対象になる芸術作品に昇華させたのが菱川師宣です。

しかも浮世絵は、当時の食べ物なども描かれ、寿司、天ぷらなど江戸で生まれた当時のファストフードなど、食文化はもちらん、流行や風俗などを知る手がかりにもなっています。

市井の女性を描写して名を成し、当時の江戸の最新のファッションや髪形を巧みに取り入れた肉筆美人画『見返り美人図』は、その代表作で、「師宣の美女こそ江戸女」と評されるまでに。
肉筆画の落款(らっかん)には「房陽」「房国」と肩書きし、房州(現・千葉県)の出であることを誇りにしていました。
『見返り美人図』は昭和23年、「切手趣味週間」の記念切手の絵柄に採用され、菱川師宣の名を知らしめました。

「菱川師宣誕生地」の碑が立つ菱川師宣の生家跡は千葉県の史跡。
保田中央海水浴場に近い別願院には墓があります(元禄、寛政の大地震による津波で流出、その後の再建)。
菱川師宣記念館前に立つ『見返り美人ブロンズ像』は、『見返り美人図』を立体的に表現した像で、鴨川市出身の彫刻家・長谷川昂(はせがわこう)の制作(富津市にある東京湾観音の胎内に収められた七福神像なども手掛けています)。

菱川師宣記念館
名称 菱川師宣記念館/ひしかわもろのぶきねんかん
所在地 千葉県安房郡鋸南町吉浜516
関連HP 鋸南町公式ホームページ
電車・バスで JR保田駅から徒歩15分
ドライブで 富津館山道路鋸南保田ICから約2.3km
駐車場 100台/無料
問い合わせ 菱川師宣記念館 TEL:0470-55-4061/FAX:0470-55-1585
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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