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映画『大魔神』シリーズのモデルは、埴輪「挂甲の武人」

埴輪「挂甲の武人」

昭和41年に大映(現・KADOKAWA)が製作・公開した日本映画の特撮時代劇シリーズ三部作が『大魔神』。『大魔神』、『大魔神怒る』、『大魔神逆襲』で、この大魔神のモデルとなったのが、東京国立博物館に収蔵、特別展などで展示される埴輪「挂甲の武人」(けいこうのぶじん)といわれています。

国宝指定50周年記念特別展『はにわ』で展示予定

昭和41年4月17日公開の映画『大魔神』ポスター

モチーフは、チェコスロバキア・フランス合作映画の『巨人ゴーレム』(Le Golem/昭和11年)に登場するゴーレム(golem=ユダヤ教の伝承に登場する泥でできた自立式の人形)で、それを山の魔神「阿羅羯磨」(あらかつま)に置き換えたもの。
戦国時代の丹波国で、悪人が陰謀で虐げられた庶民を守るため、復活するという設定です。

ユダヤ社会のゴーレムに対し、日本では古墳時代(6世紀)の人物形象埴輪を採用。
群馬県新田郡九合村(現・太田市飯塚町)のマツバラ長良神社の塚(道路改修で現存せず、神社も統合され一帯は住宅地に)から出土し、昭和49年6月8日、古墳時代の埴輪として初めて国宝に指定されたものです。

「挂甲の武人」は古墳時代の中でも身分の高い権力者がモデルで、像高130.4cm。
顔を守る頬当てと後頭部を守る錣(しころ)が付いた日本列島独自の形の冑を着用しています。
腰には太く長い大刀(たち)を提げ、左手に弓を持ち、背中には鏃(やじり)を上に向けた5本の矢が入った靫(ゆき)を背負っているので、戦闘態勢であることがわかります。

この「挂甲の武人」を収蔵する東京国立博物館は、2024年10月16日(水)~12月8日(日)に平成館で開幕する国宝指定50周年記念特別展『はにわ』(はにわ展)の開催の報道発表(2024年4月22日)で、「挂甲の武人」は土色のままではなく、白、灰、赤の3色で彩色されていたと彩色復元模型を公開しています。
映画『大魔神』シリーズでは、埴輪らしい茶色の姿ですが、最新の研究で、白、灰、赤と鮮やかな彩色が判明し、埴輪のイメージも改まっているのです。

埴輪「挂甲の武人」レプリカと彩色復元模型(報道発表で撮影)
映画『大魔神』シリーズのモデルは、埴輪「挂甲の武人」
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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