さて、いよいよ大山登山当日。
まだ、本格的な冬ではありませんでしたが、すでに山頂は初雪を観測し、その時の雪はまだ残っていると、昨日訪れた大山自然歴史館の館長さんはおっしゃっていました。
私の装備はというと…
・トレイルラン用のシューズ
・アウトドア用パンツ
・綿シャツ
・薄手のダウンジャケット
・30Lのリュックサック
まあ、軽い登山はできそうです。
ちなみにこれは、プレスツアーの時のお決まりの服装であります。
しかし、これではさすがに初冬の大山を登るには、軽装すぎるのでは?
そう心配した、プレスマンユニオンのI倉さんが、
予備のアディダスの化繊の長袖Tシャツを貸してくれました。
I倉さんといえばアディダスの服がトレードマーク。
いつでもどこでも誰とでも、アディダスの上下とクロックスのサンダルが、正装という人なのです。
I倉さんの長袖を来た私は、まるで”ミニI倉 “。
それにしても、長袖Tシャツは薄くてペラペラ。
とても防寒には役立ちそうにありません。
果たして、こんなことで大丈夫なんだろうか……。
***
まずは車で大山の夏山登山口へ。
そこから夏山登山道を登り、弥山(1709m)を目指します。
また、本当は、1729mの剣ヶ峰が頂上なのですが、崩落が激しく 立ち入ることができません。
なので、弥山(1709m)が事実上の山頂になります。一般的な所要時間は往復6時間。
ということは片道3時間です。
こちらは、ズブの素人(私です)が一人いるので、
せいぜい片道4時間で登れれば御の字でしょう。
登るのは、温泉紀行ライターのI出さん、ブロガー・ジャーナリストのK山さん、そして、大山観光局のM本さんが、ガイドとして同行してくれることになりました。
登る前に、登山口手前の山小屋で、お弁当を調達。
なかなか可愛い紙包みです。
果たして中身はなんでしょうか?
山小屋には登山用具一式が揃ってました。
隣には、モンベルのすごく大きいショップも!(開店前でしたが)
いまや百名山登山も手ぶらで行く時代!……なのかもしれません。
【登山口】8:23
いざ、登山口を出発!
が、いきなり小雨が降り出し、雨具を用意してなかった私は慌てました。
しかし、親切にも観光協会のMさんが、予備の雨具を貸してくださいました。
ありがとうございます!
山の天気は本当に変わりやすい。
雨具は絶対に必須です。
いざ、気をとりなおして、登山道へ。
車道の脇道を登っていきます。
先頭がM本さん、続いてI出さん、私、そしてしんがりを務めるのがK山さん。
K山さんは、自分のミニぬいぐると旅する変わった男ですが、百名山もけっこう登っているベテラン。
頼りにしてまっせ!
霊山の入り口であることを思わせる、長い石段を登ると、
すぐに、阿弥陀堂にさしかかりました。
この阿弥陀堂は、大山寺に現存する寺院の中では最古の建築物です。
平安初期に創建、藤原期に建立され、亨禄2年(1529年)に山津波で倒壊しましたが、
その後天文21年(1552年)、現在の場所に再建された、室町末期の建造物です。
道中の無事を、阿弥陀さまにお祈りしました。
すぐに一合目。
まだまだ道はなだらかです。
標高はだいたい900m。
二合目もまだまだ余裕
標高は1000mくらい。
しかし、ここを過ぎてから少しずつ勾配がきつくなってきました。
I出さんもちょっときつそうです。
私は、寒さを心配していましたが、逆に暑くて汗だくに。
雨も止んだので、雨具を脱ぎました。
それでも暑い。
I倉さんのアディダス一枚でちょうどいいくらい。
まさか、”薄くてペラペラ…”と思っていたシャツが、役に立とうとは!
I倉さん、ありがとう!
道は整備されてて歩きやすかったです。
【三合目】9:18
出発から、およそ1時間ほどで三合目に到着。
標高は1100mくらい。
ここで小休止しました。
まだまだ余裕です。
5分ほど休んで、再出発!
四合目。
標高1200m。
だんだん霧が出てきました。
徐々に足が重くなってきました。
五合目に来ると、かなり霧で真っ白に。
そろそろバテてきました。
水分、栄養はしっかりと!
登山の安全を祈る山神さまが祀られていました。
【六合目】10:17
三合目から1時間かけて六合目に到着しました。
ここには、避難所があります(奥に見える建物)
中は畳2畳くらいの狭い空間。
できれば入りたくない場所です。
本来なら見晴らしがいい場所だそうですが、濃い霧で全く見えません。
このままでは、頂上に登っても、景色は全く見えないでしょう。
ちょっとがっかりしていると、
I出さんは言うのです。
「大丈夫。太陽の匂いがしてきたから、晴れるよ」
太陽の匂い!?
まるで、未開の地の村の長老のような物言いです。
最初はぜんぜん信じてなかったのですが……
六合目を出発して、しばらくし歩いていると……
なんということでしょう!(もちろんビフォアーアフター風に)
霧と雲がスーッと音もなくひいて……
青い空が見えてきたではありませんか!
長老! 疑ってすみませんっした!
眼下には剣ヶ峰の斜面。
岩だらけの急斜面で、草木もほとんど生えていません。
時々、崩落のゴロゴロゴロ…という不気味な音が聞こえてきます。
徐々に、徐々に、崩れ落ちていっているんですね。
何千万年もしたら、すっかり山も無くなってしまうのでしょうか……。
でも今は、落ちたら下までまっしぐら。
雪が積もると、そのスリルを味わうために、スキーで滑降するツワモノもいるとか。
どうかしてるぜ!
そんな大山の自然の魅力を堪能できたのもつかの間。
再び、山道は、濃い霧に包まれてしまったのでありました……。
(続きは次回!)
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