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2023年、「猛暑日ゼロ」の県庁所在地は2市! しかも南国に!

最高気温が35度以上の日が猛暑日。全国的に猛暑日の多かった2023年に都道府県庁所在地でもっとも猛暑日が多かったのは、京都市。43日で2022年の25日に続いて恒例の単独TOP。逆に2023年に猛暑日が1回は、鹿児島市と札幌市。では、温暖化にもめげず、猛暑日ゼロの県庁所在地とは!?

那覇市は過去30年間の猛暑日も4日と札幌市の半分!

気象庁のデータを見てみると、東北も盛岡まで行けば2023年の猛暑日は5回、札幌で1回ということで、「北に行けば涼しい」という「植物の水平分布」(多雨地帯では高温地域から低温地域に向かい熱帯多雨林→照葉樹林→夏緑林→針葉樹林→低木林→寒地荒原へ移行)と同じで、当然、平均気温の低下、猛暑日の減少傾向があります。
道東の釧路・根室は、30度を超える真夏日もほぼゼロで、猛暑日もこれまで経験したことがありませんが、今回は「県庁所在地」が対象ということで除外されます。

温暖化傾向の顕著な過去2年間に限っていえば、猛暑日ゼロの県庁所在地は、意外にも南国に。
それが高知市と那覇市です。
2023年に猛暑日わずか1回というのが札幌市と鹿児島市。
高知市、鹿児島市、那覇市に共通する点は、黒潮流れる海洋性気候ということでしょうか。
高知市は2023年8月13日に34.9度を記録していますが、0.1度足りませんでした。
高知市に関しては2022年8月4日に35.8度の猛暑日を記録、「高知県内の各都市も猛暑日が増加する傾向にある」(気象庁)とのことなので、猛暑日ゼロは過去の話になってしまう可能性も。

高知市が猛暑日ゼロなのは、高知湾の沖を黒潮が流れるから。
黒潮に突き出した室戸岬は、夏場は高知市よりも2度〜3度気温が低い傾向があります。

もうひとつのゼロポイント、那覇市は、2023年7月23日に34.3度を記録(那覇市は8月よりも7月の方が暑い傾向にあります)していますが、猛暑日はありません。

首都圏からの観光客も「東京のほうが断然暑い」という声が圧倒的。
過去30年間の統計では、猛暑日は4日経験していますが、直近の猛暑日は、2017年7月31日の35度。
札幌市は、過去30年で猛暑日を8日なので、札幌の半数しかないことに。

観測された過去の最高気温は2001年8月9日の35.6度で、猛暑日も全国で一番少ない県庁所在地ということになっているのです。

理由としては高知市と同様に海洋性気候に支配されていることがまず筆頭(海に囲まれているため海風によって熱がたまりにくい)。
関東で夏場にもっとも涼しい「クーラーのいらない町」が外房・勝浦市であるのも同じ理由です。
続いて高温を記録するフェーン現象(湿潤な空気が山を越えて反対側に吹き下りたときに、風下側で吹く乾燥した高温の風)がないこと。
新潟県、富山県、福井県などが40度近い猛暑日を記録するのは、このフェーン現象の影響です。

加えてコンクリートで覆われた面積が少ないため、ヒートアイランド現象の影響が少ないことがあります。

那覇市は最高気温が25度以上の夏日が1年の7割以上で、札幌と比較すると3倍もの夏日があり、東京都比較しても80日以上多いことから、「暑い」イメージが定着していますが、実際は猛暑日のない、「暑いけれども猛暑ではない」という特徴が。

ただし、札幌と異なるのは、湿度が高く、熱中症のリスクも高いこと。
観光客が「避暑気分のバカンス」に訪れた際にも、水分補給は欠かせない町となっています。

2023年、「猛暑日ゼロ」の県庁所在地は2市! しかも南国に!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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