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三池港

三池港

福岡県大牟田市にある福岡県が管理する港が、三池港(みいけこう)。三池炭鉱で採炭される石炭の積出港として、明治41年3月に完成した港で、船渠(ドッグ)と内港を有し、内港と外海との潮位差を克服するため、内港の入口に三池港閘門(みいけこうこうもん)を備えています。

大牟田発展の基盤となった三池港は明治41年に完成

三池港展望台で撮影した「光の航路」

三池炭鉱で採炭された石炭の搬出は大牟田川河口から小型の運搬船と艀(はしけ)を使い、対岸の島原半島南端の口之津港(現・長崎県南島原市)までまる1日を費やして70kmもの海上輸送を行ない、最盛期には1500名を超えたという積み替え人夫の手作業で大型船に積み込んでいました。

こうした非効率さから、三井財閥としても石炭輸送には大型船も接岸できる港湾をもつことが悲願でしたが、干満差が5mに及ぶ有明海においては、到底無理だと思われていました。
しかしそれでは積み替えに時間も費用もかさむため、三井三池炭鉱の初代事務長・団琢磨(だんたくま)は、欧米視察(明治31年)で視察した経験から、新港築造を推進。
新港と三池炭鉱を結ぶ三池炭鉱専用鉄道も明治38年までに敷設、明治35年から6年の歳月をかけ、航路全長1830m、幅137m、倉庫や貯炭場、長崎税関三池税関支署(建物は現存しています)などの揃う三池港を完成させたのです。

なかでも画期的だったのが閘門式水門。
ドックの水位を常に一定(8.5m)に保つ水門の完成で、干潮時でも1万tクラスの大型船が着岸可能になったのです。
しかも今なお当時の水流式ポンプによって操作されており、「産炭地域の特性に応じた近代技術の導入など九州・山口の石炭産業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群」として経済産業省の近代化産業遺産、土木遺産に認定されているほか、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」の構成資産にもなっています。

三池港の東側にある三池港展望所は、美しい夕日の撮影スポットとして人気。
年に2回、11月と1月に、日没の方位が247度前後となる10日間前後は、三池港の航路先端から閘門を抜けて三池港展望所まで、一直線となる「光の航路」を見ることができます。

また時間があれば西港町の「三井港倶楽部」にも立ち寄りを。
明治41年、三池港の開港と同時にオープンした三井財閥の迎賓館で、三井財閥の社交場、外国高級船員の宿泊接待所として活用されたほか、皇族の接待にも利用されたもの。
明治の優美さを今に伝える貴重な西洋建築で、三池港とともに近代化産業遺産にも認定されています。

現在は坂井シェフ監修のレストランも営業、ランチ、ディナーに利用できます(ともにコース料理で、なるべくなら予約を)。

三池港
名称 三池港/みいけこう
所在地 福岡県大牟田市新港町
関連HP 三池港公式ホームページ
電車・バスで JR大牟田駅からタクシーで10分
ドライブで 九州自動車道南関ICから約18km
駐車場 島鉄高速船乗り場前広場を利用
問い合わせ 三池港 TEL:092-643-3674
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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