福岡県北九州市小倉南区、福智山を源流に響灘に注ぐ紫川(むらさきがわ)の上流に懸るのが菅生の滝(すがおのたき)。一ノ滝から三ノ滝まで3段になって落ちる段瀑最大の一ノ滝は、落差30mを誇っています。神仏習合時代には、下流の菅生寺の修験の地として栄えた滝です。
不動明王像などが、修験の地として繁栄した歴史を伝承
滝の水流が強く、女性の化粧も落ちて「素顔」になってしまうというのが名の由来という説もありますが、滝横に須川神社(江戸時代までの神仏習合時代は菅王権現)が鎮座するので、菅王の滝が転訛したとも推測できます。
ただし、この「素顔」には地元の伝説に由来する説。
香月の長者の娘・歌姫に恋をした熊彦が、失恋の末に滝壺に身を投げてしまう。
その後、歌姫は滝壺に沈む夢を見るようになったので、仙人に相談すると、白蛇に憑かれていることを見抜き、顔に墨を塗って滝壺に行けば助かると助言。
しかし、滝の飛翔で、墨が取れ素顔となったため、歌姫は白蛇に巻き付かれて滝壺に沈んでいったという話です。
須川神社の前身、菅王権現は、百済(くだら=古代朝鮮半島の国)から菅王子という神人が飛行してこの山を訪れたという伝説。
まさに菅王というわけです。
菅王の滝を背景として栄えた、修験の道場・菅生寺は今も滝の下流にあり、滝は奥の院にあたるので、この菅生寺(もとは菅王寺)が滝の名の由来で、百済からの亡命帰化人の王族に関した伝承の地と推測できます。
滝周辺には不動明王も祀られ、修験の地であることがよくわかります。
駐車場から滝までは徒歩で3分ほどですが、滝への徒歩道は雨後、泥混じりになるので、汚れてもいい靴で行くのが無難です。
菅生の滝 | |
名称 | 菅生の滝/すがおのたき |
所在地 | 福岡県北九州市小倉南区大字道原 |
関連HP | 北九州市公式ホームページ |
電車・バスで | 合馬・中谷地区おでかけ交通で道原下車、徒歩50分 |
ドライブで | 九州自動車道小倉南ICから約8.5km |
駐車場 | 45台/無料 |
問い合わせ | 小倉南区総務企画課 TEL:093-951-1024/FAX:093-951-5553 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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