福岡県飯塚市にある昭和6年に建てられた芝居小屋が嘉穂劇場(かほげきじょう)。石炭の産出で繁栄した時代の娯楽施設として建てられたもので、国の登録有形文化財、そして経済産業省の近代化産業遺産にも認定。維持管理に経費がかかり、令和3年から飯塚市の所有になっています。
筑豊炭田の全盛を今に伝える芝居小屋
初代の嘉穂劇場は、大正10年に大阪・中座を模して建てられた「中座」が昭和3年に焼失。
昭和4年に再建されましたが、2代目の建物も昭和5年の台風で倒壊。
現存する建物は3代目になります。
歌舞伎様式を伝える木造の芝居小屋で、間口10間(18m)の大きな梁を渡して、柱をなくしています。
木製の枡席に東西2本の花道、手動式の直径16mの廻り舞台を備え、1200人を収容。
炭鉱閉山後も大衆演劇の殿堂として多くのファンに愛され続けてきたのです。
石炭産業全盛時代には、筑豊エリアだけで48ヵ所の芝居小屋がありましたが、閉山とともに姿を消し、ただひとつ残ったのが、この嘉穂劇場です。
石炭産業の繁栄を背景に、大衆演劇や歌謡ショーが行なわれましたが、石炭の衰退とともに、上演数が減少し、現在は特定非営利活動法人嘉穂劇場として運営されましたが、令和3年に解散し、飯塚市に無償で譲渡されています。
旧伊藤伝右衛門邸、巻き上げ機台座(三菱飯塚炭鉱/以上、飯塚市)九州マクセル赤煉瓦記念館(旧三菱方城炭礦坑務工作室/田川郡福智町)、旧蔵内家住宅(旧藏内邸/築上郡築上町)とともに筑豊炭田関連遺産として「産炭地域の特性に応じた近代技術の導入など九州・山口の石炭産業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群」に認定されています。
嘉穂劇場 | |
名称 | 嘉穂劇場/かほげきじょう |
所在地 | 福岡県飯塚市飯塚5-23 |
関連HP | 飯塚観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR飯塚駅から徒歩15分、JR新飯塚駅から徒歩20分 |
ドライブで | 八木山バイパス穂波東ICから約2km |
駐車場 | 40台/有料 |
問い合わせ | 飯塚市商工観光課 TEL:0948-22-5500/飯塚観光協会 TEL:0948-22-3511 |
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