福岡県糟屋郡粕屋町にある直径18mほどの墳墓が平塚古墳。厚さ30cmの分厚い蓋石(ふたいし)を用いた類例のない巨大な箱式石棺(大隈石棺)が発掘され、棺の底から発見された管玉17個が弥生時代のものに近かったため、弥生時代末から古墳時代に移行する原始古墳ではないかと推測されています。
弥生時代終わり頃の権力者を埋葬した墳丘墓
昭和26年5月に、旧大川村の村営住宅工事の整地途中に長さ1.9m、幅0.7m、高さ0.7mの石棺を発見。
高校の社会科教師だった森貞次郎(弥生時代を中心として九州における古代文化研究の基礎を築いた研究者、日本考古学協会のプロジェクト「西北九州総合調査特別委員会」の中心メンバー)によって調査された遺跡で、埋葬された棺の中から中国製の内行花文鏡(ないこうかもんきょう=中国の後漢代で流行した銅鏡で、弥生時代から古墳時代に輸入)片や管玉17個が発見されています。
採土以前には18mほどの墳丘で(発見時は、直径17m、高さ1.5mほどの盛土が石棺を覆っていました)、発掘された17個の管玉の特徴が古墳時代のものより弥生時代に近かったことから原始古墳と推測されたのです。
現在、盛土は消滅していますが、石棺自体は現地に保存されていて常時見学が可能。
通称は平塚古墳ですが、古墳時代(古墳時代の定義に関しては諸説ありますが、一般的には古墳が築かれた時代)以前のため、弥生時代の墳丘墓(平塚墳丘墓)というのが正しい呼び方です。
平塚古墳 | |
名称 | 平塚古墳/ひらつかこふん |
所在地 | 福岡県糟屋郡粕屋町上大隈644-7 |
関連HP | 粕屋町公式ホームページ |
電車・バスで | JR門松駅から徒歩20分 |
問い合わせ | 粕屋町立歴史資料館 TEL:092-939-2984/FAX:092-938-0733 |
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