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女山神籠石

女山神籠石

福岡県みやま市にある女山城(ぞやまじょう)とも呼ばれる古代山城が、女山神籠石(ぞやまこうごいし)。古塚山を利用して築城された城で、山頂を馬蹄状に列石が巡っています。城域内に山内古墳群(やまうちこふんぐん)もあり、ともに国の史跡になっています。

有明海を一望にする山上に築かれた7世紀築城の古代山城

産女谷に築かれた古代の水門

古塚山に土塁を巡らし、谷の部分4ヶ所(産女谷、源吾谷、長谷、粥餅谷)には水門を築く古代の山城で、その一部は女山史跡森林公園になっています。
城壁(土塁)の全長は2900mもある長大なもので、南半分に1.5kmの列石遺構が現存しています(列石全面には3m間隔で柱穴が開いています)。
北半分の列石についてはこれまで確認されていません。

山頂近くの展望台からは筑後平野と有明海を一望に。
有明海を視野に入れ、筑後国と肥後国を結ぶ交通の要衝だったことが築城の理由。

史書に記録がないため、築城時期と目的は定かでありませんが、九州北部に現存する古代の山城は、天智2年8月(663年10月)、朝鮮半島で勃発した白村江の戦い(はくすきのえのたたかい=百済復興を目指す倭国・百済遺民の連合軍と唐・新羅連合軍との戦闘)で、倭国が敗北し、唐・新羅連合軍の九州上陸に備えて築かれたものなので、そのひとつだと推測できます。
築城時期は7世紀後半の大化元年(645年)以降、天智天皇4年(665年)以前とされ、白村江の戦い後ということで、時代的にも一致します。
また7世紀後半に日本に伝わったという唐尺(とうじゃく=大尺は約30cm)で設計されていることからもそれを裏付けています。

城内に位置する山内古墳群は、築城以前に築かれたもの。

ちなみに福岡県内には、筑前国に4ヶ所(鹿毛馬城、雷山城、杷木城、阿志岐山城)、豊前国に2ヶ所(御所ヶ谷神籠石、唐原山城)、築後国では女山神籠石のほか、高良山神籠石(こうらさんこうごいし/久留米市)、合計6ヶ所の古代山城が築かれています。

女山神籠石
名称 女山神籠石/ぞやまこうごいし
所在地 福岡県みやま市瀬高町大草
電車・バスで JR瀬高駅からタクシーで15分
ドライブで 九州自動車道みやま柳川ICから約1.5km
問い合わせ みやま市商工観光課 TEL:0944-64-1523
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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