福岡県大牟田市西宮浦町、JR・西鉄大牟田駅の東側1kmほどのところ、大牟田川沿いにある公園が、宮浦石炭記念公園。そのシンボルとなっているのが旧三池炭鉱宮浦坑煙突で、国の登録有形文化財に指定されています。
三池炭鉱で唯一現存する煙突は、『炭坑節』の煙突!?
三池炭鉱宮浦坑は明治20年に開削に着手し、明治21年に操業を開始した炭鉱。
レンガ造りの煙突も明治21年3月に完成しています。
煙突は、当時蒸気動力だったボイラーの排煙施設で、ボイラーの電化にともない多くの煙突が失なわれたため、貴重な存在となっています。
有名な『炭坑節』のオリジナルは、三井田川炭鉱の女性労働者が歌っていた『伊田場打選炭唄』で、月が出たのは、「三井炭鉱の上」で「あんまり煙突が高いので」の煙突は、旧三井田川鉱業所第1・第2煙突(国の登録有形文化財、経済産業省の近代化産業遺産)。
高さは45.45mもあります。
ところが、昭和23年、芸者歌手・赤坂小梅(あかさかこうめ)が歌ってヒットした替え歌版では、歌の舞台が三井田川炭坑(田川市)から三井三池炭坑(大牟田市)に変更され、戦後はこの三池炭坑版が大流行。
一般の人が口ずさむのは「三池炭坑の上に出た」ということに。
つまり、「あんまり煙突が高いので」の煙突は、三池炭鉱宮浦坑煙突に置き代わったことで、現存する三池炭鉱で唯一のレンガ煙突は、『炭坑節』の煙突となっているのです。
ちなみに埼玉西武ライオンズは、その前身、西鉄ライオンズの本拠地が福岡ということで、現在でも炭坑節を応援曲に使っていますが、こちらも、三池炭鉱バージョンなので、この三池炭鉱宮浦坑煙突ということになります。
画像協力/大牟田市
旧三池炭鉱宮浦坑煙突 | |
名称 | 旧三池炭鉱宮浦坑煙突/きゅうみいけたんこうみやうらこうえんとつ |
所在地 | 福岡県大牟田市西宮浦町132-8 |
関連HP | 大牟田市公式ホームページ |
電車・バスで | JR・西鉄大牟田駅から徒歩20分 |
ドライブで | 九州自動車道南関ICから約12km |
駐車場 | 5台/無料 |
問い合わせ | 大牟田市都市整備部都市計画・公園課 TEL:0944-41-2782/FAX:0944-41-2795 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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