福岡県福岡市東区香椎3丁目、仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)崩御の地と伝わる香椎宮(かしいぐう)境内に湧く霊水が、不老水(ふろうすい)。仲哀天皇・神功皇后に仕えた武内宿禰(たけしうちのすくね)がこの水を飲んで300歳まで生きたという霊水で、環境省の名水百選に選定されるほか、日本三名水にも数えられています。
武内宿禰がこの名水を調理に使い、300歳まで生きた!?
香椎宮境内の裏手、香椎宮の飛び地境内にあるため(境内地のため夜間は閉鎖されます)、参拝時に見逃す人もいますが、岐阜県の養老の滝(菊水泉)、奈良県のごろごろ水とともに日本三名水にも数えられる名水なので、ぜひお立ち寄りを。
古来より病疫を祓い、寿命を延ばす霊力があると伝えられ、朝廷にも献上される名水で、飲み水として使用する場合は煮沸が必要ですが、今も多くの人がこの名水を汲みに訪れています(10:00の解錠と同時に何人もの人が採水に訪れます)。
香椎宮を氏子(うじこ)を中心にして「不老水保存会」が結成され、環境保全が行なわれていますが、近年、水位の低下が懸念され、水を汲み取ることができる時間、量も制限されています。
硬度56.0mg/lの軟水で、pH6.8と中性です。
ミネラル濃度が高く、重炭酸イオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオンが多いのが特徴。
古三紀層の丘陵と沖積低地の間にある段丘の砂礫層から湧き出す水だと推測されています。
この名水を飲み、景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5代の天皇に仕え300歳まで生きたという武内宿禰は、「日本書紀」、「古事記」に記された古代日本の人物。
仲哀天皇(日本武尊の子で神功皇后の夫)は、熊襲討伐の際、熊襲の矢にあたってこの地で崩御し、その霊廟が現在の香椎宮だとされ、武内宿禰もこの地で暮らしたとされますが、歴史学的には仲哀天皇の実在性は疑問視されています。
いずれにせよ、記紀に記された古代史のドラマチックでファンタジーな歴史を秘めた地に湧く、名水ということに。
香椎宮・不老水 | |
名称 | 香椎宮・不老水/かしいぐう・ふろうすい |
所在地 | 福岡県福岡市東区香椎4-16-1 |
関連HP | 香椎宮公式ホームページ |
電車・バスで | JR香椎駅から徒歩25分 |
ドライブで | 福岡都市高速香椎浜ランプから約2.5km |
駐車場 | 200台/無料 |
問い合わせ | 香椎宮社務所 TEL:092-681-1001/FAX:092-681-1011 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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