淡路島最高峰で、淡路島の南東部に連なる諭鶴羽山(ゆづるはさん/標高607.9m=一等三角点)から海へと落ちる急傾斜の斜面7haにわたって水仙が自生する自然の花園が灘黒岩水仙郷。一帯は瀬戸内海国立公園に指定され、温暖な気候と断層による地形的な変化もあって水仙の自生、アカガシの天然林とダイナミックな自然を生み出しています。
例年12月下旬〜2月下旬に灘黒岩水仙郷開園
福井県の越前海岸、千葉県の鋸南町(をくづれ水仙郷、江水仙ロード)と並んで「日本三大水仙自生地」に数えられる灘黒岩水仙郷(注/静岡県の爪木崎海岸を数える説も)。
海上に沼島を眺める水仙自生地には12月下旬から2月下旬にかけて500万本の水仙が花開き、臨時駐車場が設けられ、灘黒岩水仙郷が開園しています。
もともとは江戸時代後期の文政年間(1818年〜1831年)、紀州から漂着した球根を黒岩の漁師が山に植栽したといわれ、咲く花は一重咲きの野生のニホンズイセンが中心。
わずかに八重咲きの花も混じっているのが特長。
45度という急斜面に設けられたジグザグの遊歩道を上った展望台からは自生地を一望にします。
「園内には急な階段が多いので、運動靴など歩きやすい格好で」(南あわじ市商工観光課)とのこと。
ちなみに諭鶴羽山は熊野信仰との関係もあり、熊野の神は諭鶴羽山から熊野へと渡ったと伝えられています(『熊野権現御垂迹縁起』=現存する文献の上では熊野縁起最古のもの)。
九州・英彦山から四国・石鎚山、淡路・諭鶴羽山、紀伊・熊野へと続いた海の道は、神様の渡った道でもあるのです。
熊野十二所権現の霊場として繁栄した諭鶴羽山の山頂近くには諭鶴羽神社が鎮座し、灘黒岩水仙郷のある黒岩地区から表参道となる「諭鶴羽古道コース」が通じています。
船山馨作『お登勢』のヒロインお登勢も黒岩出身で、歴史ある里だということがよくわかります。
和歌山県日高郡由良町の禅寺・興国寺は、源実朝の菩提を弔うために創建された寺で、宋で習得した金山寺味噌の製法は紀州の醤油産業へと発展しますが、そのとき日本に持参した水仙は白崎海岸など由良周辺の海岸に繁殖。
これが潮流で淡路に運ばれたと推測できるのです。
灘黒岩水仙郷 | |
名称 | 灘黒岩水仙郷/なだくろいわすいせんきょう Nadakuroiwa Suisenkyo(Home of the Daffodils) |
所在地 | 兵庫県南あわじ市灘黒岩2 |
関連HP | 南あわじ市公式ホームページ |
ドライブで | 神戸淡路鳴門自動車道西淡三原ICから約23km |
駐車場 | 灘黒岩水仙郷第1駐車場(50台)、満車の場合は倉川臨時駐車場、黒岩臨時駐車場、山本臨時駐車場、土庄港臨時駐車場を利用、シャトルバス運行 |
問い合わせ | 灘黒岩水仙郷 TEL:0799-56-0720(開園期間中のみ) |
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