姫路城の登城ルートで、高麗門の「ろの門」をくぐると、国の重要文化財に指定の櫓門「はの門」へと続く長い坂道となります。「はの門」は坂の上にあり、坂の下から見あげると、正面に天守閣が見え、敵に天守閣がすぐそこだと錯覚するように造られています。現在は、天守を望む絶好のポイントになっています。
『暴れん坊将軍』や『007』のロケで使われた「はの門」への坂道
「はの門」への石段の坂道は、江戸城という設定で、松平健主演のテレビドラマ『暴れん坊将軍』(テレビ朝日系列/昭和53年〜平成14年放映)で度々登場したため、「将軍坂」と呼ばれています。
平成15年放送のNHK大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』では姫路城に幽閉された武蔵(市川新之助=現・市川海老蔵)が逃げ出すシーンの撮影に使われています。
さらに古いところでは、『007』シリーズ映画第5作『007は二度死ぬ』(昭和42年公開)で、ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)、タイガー田中(丹波哲郎)、アキ(若林映子)が登場のシーンがここで撮影。
この「はの門」へと至る坂道ではヒロインのキッシー鈴木(浜美枝)は登場していません。
姫路城が『007』シリーズのロケに使われた話は、往年の映画ファンが知る程度になってしまいましたが、ロケの最中に手裏剣が城壁に当たったりするなどして、貴重な文化財を破壊したことなどから、それ以降の映画ロケには使われていません。
「はの門」は天守への侵入を防ぐ重要な門、堅牢な楼門で、門扉には石落としが備えられています。
しかもいざという時には、両側の石を崩して門を塞いでしまうという構造になっています。
奥村土牛(おくむらとぎゅう)が描いた『門』(昭和42年)という作品は、実はこの「はの門」の内側から外側を眺めた風景です。
奥村土牛、78歳の時の作品で、画面の半分を黒い門が占め、白い土塀と四角い鉄砲狭間が開いた門から見えるという光景です。
単純な構図ですが「壁などが傷んでいい感じだった」と、奥村土牛は、細部に宿る美しさにこだわったのです。
ちなみに『門』は、山種美術館(東京都渋谷区広尾3丁目)が収蔵しています。
「はの門」を入れば、いよいよ二の丸・乾曲輪(いぬいくるわ)です。
乾(いぬい)は北西のこと。つまりは天守の北西を守備する曲輪です。
そんな転用石が「はの門」にもあります。
「はの門」の礎石(束石)部分をよく観察すると、一風変わった石が見つかります。
実はこの石、石灯籠の台座の転用です。
姫路城・はの門 | |
名称 | 姫路城・はの門/ひめじじょう・はのもん Ha Gate(Ha-no-Mon),Himeji Castle |
所在地 | 兵庫県姫路市本町68 |
関連HP | 姫路城公式ホームページ |
電車・バスで | JR・山陽電鉄姫路駅から徒歩15分 |
ドライブで | 山陽自動車道山陽姫路東ICから約6km |
駐車場 | 市営大手門駐車場(600台/有料)、市営姫山駐車場(250台/有料)、市営城の北駐車場(150台/有料) |
問い合わせ | 姫路城管理事務所 TEL:079-285-1146/FAX:079-222-6050 |
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