兵庫県たつの市、龍野城西側一帯に広がる龍野公園の童謡の小径の起点となっているのが、『赤とんぼ』歌碑。童謡『赤とんぼ』(作詞・三木露風、作曲・山田耕筰)を作詞した三木露風(みきろふう)は、龍野町(現・たつの市)出身で、大正10年に故郷を偲んで作詞したもの。
三木露風の故郷、たつの市に立つ歌碑
三木露風は、明治22年6月23日、兵庫県揖西郡龍野町に生誕。
大正7年頃から、鈴木三重吉(すずきみえきち)の赤い鳥運動(大正7年7月1日、児童文芸誌『赤い鳥』創刊)に参加し、童謡の作詞を手掛け始め、大正10年、童謡集『真珠島』を出版。
そのなかに収録された『赤とんぼ』の詩に昭和2年、山田耕筰(やまだこうさく)が曲をつけたのが童謡として知られる『赤とんぼ』。
北海道上磯郡当別村(現・北斗市)のトラピスト修道院で国語科の講師を務めているときに作詞したものです。
昭和30年公開の映画『ここに泉あり』(監督・今井正、主演・岸恵子)の挿入歌にもなるなど、日本を代表する童謡として知られています。
龍野市(現・たつの市)は三木露風の生誕地にちなんで昭和59年10月に『童謡の里』として都市宣言を行ない、全国に向けて、あなたが選ぶ「童謡」の募集を行い、その中から上位8曲を選定。
龍野公園では、童謡『赤とんぼ』の歌碑を起点に、南側の白鷺山展望台へ向かう「童謡の小径」が整備され、前に立つと童謡のメロディが流れる上位8曲(赤とんぼ、里の秋、夕焼け小焼、七つの子、ちいさい秋みつけた、みかんの花咲く丘、月の砂漠、叱られて)の歌碑が配置されています(歌碑には作詩者の出身地の石を使用)。
『赤とんぼ』歌碑は、三木露風が36年間暮らした三鷹市など全国各地にありますが、故郷にあるのは、この歌碑のみ。
赤蜻蛉 歌詞/『樫の実』大正10年8月号
夕焼、小焼の、山の空、
負はれて見たのは、まぼろしか。
山の畑の、桑の実を、
小籠に摘んだは、いつの日か。
十五で、ねえやは嫁に行き、
お里のたよりも絶えはてた。
夕やけ、こやけの、赤とんぼ、
とまつてゐるよ、竿の先。
赤蜻蛉 歌詞/『真珠島』大正10年12月
夕焼、小焼の、あかとんぼ、
負はれて見たのは、いつの日か。
山の畑の、桑の実を、
小籠に摘んだは、まぼろしか。
十五で、姐(ねえ)やは嫁に行き、
お里のたよりも絶えはてた。
夕やけ、こやけの、赤とんぼ、
とまつてゐるよ、竿の先。
赤とんぼ歌詞/大正15年『小鳥の友』収録
夕焼、小焼の、あかとんぼ、
負はれて見たのは、いつの日か。
山の畑の、
桑の実を、
小籠に、つんだは、まぼろしか。
十五で、姐やは嫁にゆき、
お里の、たよりも、たえはてた。
夕やけ、小やけの、赤とんぼ。
とまつてゐるよ、竿の先。
『赤とんぼ』歌碑 | |
名称 | 『赤とんぼ』歌碑/『あかとんぼ』かひ |
所在地 | 兵庫県たつの市龍野町下霞城 |
関連HP | たつの市公式ホームページ |
電車・バスで | JR本竜野駅から徒歩25分 |
ドライブで | 山陽自動車道龍野ICから約2.5km |
駐車場 | 100台 |
問い合わせ | たつの市都市政策部都市計画課 TEL:0791-64-3163 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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