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後ヶ島・竜宮城

後ヶ島・竜宮城

兵庫県豊岡市、日和山海岸の沖に浮かぶ無人島・後ヶ島(のちがしま)にあるのが、竜宮城。日和山海岸の活性化の願いで、大阪・道頓堀に「かに道楽本店」を築いたことで有名な今津文治郎が、昭和25年に竜宮城を模した施設を建てたもの。往時には遊覧船が結んでいました。

無人島に築かれた竜宮城が残存

豊岡市の水族館「城崎マリンワールド」、ホテル金波楼、城崎カンツリークラブなどを経営する日和山観光。
もともとは、昭和初期、港村瀬戸区直営の魚市場が水揚げ量の減少で破綻し、多額の負債を抱えて隣接する津居山港に合併したことが始まり。
臨時区長に選ばれ、地域の再生を図ったのが、大阪で成功した道頓堀の飲食店「かに道楽」創業でも知られる、今津文治郎です。

昭和9年、今津文治郎は、地域の生き残りは、「天与の景観の活用にあり」と信じ、区を母体とする日和山遊園組合を発足、800人ほどの区民が岩場や段々畑を人力で整備し、トンネルを掘削、料亭と水族館、売店、遊覧船をスタートさせたのです。
昭和12年に料亭金波楼(現・ホテル金波楼)の営業を開始、昭和15年に今津文治郎経営の体制に移行し、戦後の昭和24年、日和山観光へと発展しています。

日和山観光創業の翌年、昭和25年に築かれたのが、竜宮城。
北東に眺める丹後半島に浦島太郎の伝説が残ることがヒントになり、鳥羽から呼んだ海女の素潜りの実演ショー、「乙姫様」による野点(のだて)など、当時としては斬新な様々な趣向が用意されていたのです。
今津家の家伝の「やるなら目立て」の精神を発揮したともいえる施設でした。

大阪・道頓堀に「かに道楽本店」がオープンしたのは、昭和37年ですが、豊岡、そして日和山観光のPR施設としても機能も考えてのことでしょう(CMソングはキダ・タロー作曲、初代CMには今津文治郎も出演)。
但馬地域にカニを地方活性に使うのは、今では当たり前のことですが、「かにすき」を引っさげてカニブームを生み出した「かに道楽本店」は、その先駆け。

後ヶ島・竜宮城
名称 後ヶ島・竜宮城/のちがしま・りゅうぐうじょう
所在地 兵庫県豊岡市
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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