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大聖院

大聖院

広島県廿日市市の宮島(厳島)にある真言宗御室派の大本山が大聖院。宮島で最古の歴史を有する寺で、神仏習合の明治初年までは、厳島神社を管理する別当寺でした。つまりは、神仏分離、廃仏毀釈の嵐が吹き荒れるまで、厳島神社を始め、周辺は大聖院の伽藍だったのです。現在も弥山山上の弥山本堂などは大聖院の所属。

摩尼殿は、三鬼大権現の本坊御祈祷所

三鬼大権現を祀る摩尼殿(まにでん)

正式名は、多喜山大聖院水精寺(たきやまだいしょういんすいしょうじ)。
大同元年(806年)、空海が弥山で修行して以来1200年の歴史を有しています(ただし、空海修行は史実としての裏付けがありません)。
弥山本堂周辺から奈良時代〜平安時代の緑釉陶器や仏鉢が出土していることから、空海の生きる時代から、宮島が聖地であったことは間違いありません。

平安時代後期には鳥羽天皇(とばてんのう)勅命の祈願道場になっています。

大聖院があるのは弥山の麓、弥山への登山ルート大聖院コースの入口で、弥山山上へは石段2000段を歩く、昔ながらの山道です。

厳島神社近くの本坊に、仁王門、御成門、鳥羽天皇勅願道場の勅願堂、行基作と伝わる十一面観世音菩薩を安置する観音堂、摩尼殿、空海を祀る大師堂、七福神を祀る八角万福堂、鐘楼堂、愛染堂、霊宝館などがあり、大師堂地下には遍照窟(人工の洞窟)があり、四国八十八箇所霊場の砂を敷いた砂踏み道場となっています。
摩尼殿は、弥山山上の三鬼堂に祀られる三鬼大権現の本坊御祈祷所。

祀られる仏像も、十一面観世音菩薩、観音菩薩、不動明王、三鬼大権現、七福神、一願大師など多数。

弥山山上の弥山本堂、大日堂、霊火堂、三鬼堂なども大聖院の所属。
霊火堂には空海が焚いた護摩の火が今も消えずに燃え続けています。

大聖院の参詣者で、もっとも数が多い参詣の場所は、実は、弥山山上の三鬼大権現を祀る三鬼堂。
家内安全と商売繁盛祈願の善男善女が登拝しています。

伊藤博文(いとうひろぶみ)も「日本三景の一の真価は頂上の眺めにあり」と明治39年、弥山登山道の大修理を行なっていますが、三鬼大権現への信仰も背景にあったのだと推測できます(三鬼堂の扁額は伊藤博文の直筆)。

ちなみに現在、厳島神社で斎行される『玉取祭』(旧暦7月14日)は、天正年間、京・仁和寺の任助法親王(にんじょほうしんのう)が、大聖院に止住した際、仁和寺の『延年祭』を移したのが始まり。
大晦日の『鎮火祭』も、神仏習合時代の大聖院がルーツ。

1日・15日は、三鬼大権現功徳日、21日は弘法大師御影供、28日が不動明王功徳日・弥山不動会、さらには毎月ゾロ目の日13:00〜に弥山三鬼堂で婚活祈願が行なわれています。

大聖院
名称 大聖院/だいしょういん
所在地 広島県廿日市市宮島町滝町210
関連HP 大聖院公式ホームページ
電車・バスで JR宮島口駅からJR連絡宮島航路または松大観光船で10分、宮島桟橋下船、徒歩15分
ドライブで 山陽自動車道廿日市ICから約4.7km。または、大野ICから約5kmで宮島口
駐車場 宮島口市営駐車場(166台/有料)・もみじ本舗駐車場(500台/有料)
問い合わせ 大聖院 TEL:0829-44-0111
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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