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大浜埼灯台記念館(旧大浜埼船舶通航潮流信号所)

大浜埼灯台記念館(旧大浜埼船舶通航潮流信号所)

広島県呉市にある因島。因島大橋のたもとにある明治27年初点灯の大浜埼灯台横にある白い3基の信号塔屋が、旧大浜埼船舶通航潮流信号所(きゅうおおはまさきつうこうちょうりゅうしんごうしょ)。明治時代に設置された木造の船舶通航信号所の唯一現存するもので、大浜埼灯台記念館として保存されています。土木学会選奨土木遺産のひとつ。

現存する唯一の木造船舶通航信号所

航行する船舶に対して、ほかの船舶の状況を知らせる施設が船舶通航信号所。
因島と向島の間にある幅800mほどの布刈瀬戸は、明治時代から今治(いまばり)寄りの潮の流れの速い来島海峡(くるしまかいきょう)を避けた船が通る三原瀬戸航路が確立します。
三原瀬戸航路の安全のため、明治27年に大浜埼灯台など9ヶ所の航路標識が建設されますが、航路が狭いうえ、屈曲。
明治後期になると年々通行量が増加し、海難事故が多発していました。
そこで、明治43年4月、船舶の動向と潮流の方向・緩急を予測し、航行の安全を図る目的で大浜埼に船舶通航・潮流信号所が設けられたのです。
前年に関門海峡に日本初となる信号所が設置されているので、いかに三原瀬戸航路が重要な瀬戸内海の航路だったのかがよくわかります。

基本は帆船がまだ現役だった時代の信号なので、エンジンの性能向上などに伴って、昭和29年に信号所は閉鎖されました。
その後、因島市(現・尾道市)に払い下げられ、昭和61年に大浜埼灯台資料館として開館したもの。

内部には電化以前の機械式である船舶通航信号用の操作機器がほぼ旧状のまま残されており、潮流信号機、旗竿なども現存しています。

機械式の船舶通航信号とは!?
塔屋の左右に取り付けられた3枚の羽根板(3つの海域を示しています)に、黒地に白色の第1種○、第2種△、第3種□の記号を表示させて航路の情報を伝達させましたが、3種類の信号(海域)を示すために3つの塔が必要となりました。
夜間は、それぞれの塔の上部で灯り(第一種:白色点灯、第二種:赤色点滅、第三種:赤色点灯)を灯して航路の安全を図っていました。
第1種○(夜間は白色信号)は、西行船に対しては「高根島小佐木島(こさぎじま)間に在りて東方に航行する船あり」、東行船に対して「外梶埼以東に在て西方に航行する船あり」。
第2種△(夜間は赤色点滅)は、西行船に対しては「小佐木島細島(ほそじま)間に在て東方に航行する船あり」、東行船に対して「外梶埼以西に在て西方に航行する船あり」。
第3種□(夜間は赤色点灯)は、西行船に対しては「細島以東に在て東方に帆船群走す」、東行船に対して「布刈瀬戸に帆船群走す」。
航路上からだとこんな感じに見えます
大浜埼灯台記念館(旧大浜埼船舶通航潮流信号所)
名称 大浜埼灯台記念館(旧大浜埼船舶通航潮流信号所)/おおはまさきとうだいきねんかん(きゅうおおはまさきせんぱくつうこうちょうりゅうしんごうしょ)
所在地 広島県尾道市因島大浜町
ドライブで 西瀬戸自動車道(しまなみ海道)因島北ICから約4.5km。因島南ICから約9km
駐車場 因島アメニティ公園駐車場・因島大橋記念公園駐車場利用
問い合わせ 尾道市因島総合支所しまおこし課 TEL:0845-26-6212
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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