大正7年、旧呉鎮守府水道の貯水池として、築造された水道用のダムが本庄水源地堰堤(本庄ダム)。堤高25m、堤頂長97mで、完成当時には東洋一の規模を誇っていました。稼働している水道施設としては全国初の国の重要文化財。通常時は見学できませんが、例年桜の開花時のみ一般に開放されています。
呉鎮守府と呉市の水道源となった堰堤
明治19年4月22日の海軍条例で設置が決められた大日本帝国海軍の呉鎮守府。
明治22年に開庁式が行なわれ、明治36年には呉海軍工廠も置かれていますが、呉軍港の発展とともに慢性的な用水不足となり、その解消を目的に築かれたのが本庄水源地堰堤です(呉海軍経理部建築科が担当)。
この堰堤の水は、大正7年4月1日、灰ヶ峰の南麓にある平原浄水場(大正6年完成、国の登録有形文化財)を通して呉市民にも供給が始まりました(現在は呉市中心部の宮原浄水場へ送水)。
石貼りの美しい外観を有していますが、重力式コンクリートダム。
堰堤(堤体本体、取水塔)、丸井戸、第一量水井(鋳鉄製配管、仕切弁2基)、階段で構成されています。
丸井戸は、堰堤からの水をいったん溜めて砂を沈めてから第一量水井に送るためのもの。
鋳鉄製配管、仕切弁なども往時のまま。
ダム湖である本庄貯水池は、ダム湖百選に選定されています。
現在国の重要文化財に指定されるダムは、本庄ダムと丸沼ダム(群馬県利根郡片品村/昭和6年完成、国の重要文化財)、本河内高部ダム(ほんごうちこうぶだむ/長崎県長崎市)の3ヶ所のみです。
名称 | 本庄水源地堰堤/ほんじょうすいげんちえんてい |
所在地 | 広島県呉市焼山北3丁目 |
関連HP | 呉市公式ホームページ |
ドライブで | 山陽自動車道西条ICから約32km |
問い合わせ | 呉市上下水道局経営企画課 TEL:0823-26-1604 |
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