広島県三原市久井町吉田、宇根山(標高698.5m)の南東麓、吉田大池近くにある花崗岩の岩塊(岩海)が久井の岩海(くいのがんかい)。緩やかな起伏の谷筋4条に沿って、花崗閃緑岩(かこうせんりょくがん= granodiorite)の巨大な岩が累々と連なり、広島県らしい奇観を呈しています。
日本最大級の岩海が、三原市の山中に!
激しい気温の変化や霜などによって、花崗岩の節理に沿って大規模な分離、崩壊が起こり、渓谷を埋め、風化によって岩塊の角が取れたものだと推測できます。
風化の進展とともに土壌化した部分は雨などで流れ去り、岩礫化したものだけが残されたのです。
直径1m~7mの巨岩怪石が累々と続き、その地下を谷川が流れ、岩に耳を当てると流水の音が聞こえてきます。
22haという広さは、日本最大級の岩海ということに。
標高490m~530mに位置し、地元では「ごうろ」(ゴーロ)とも呼ばれています。
ゴーロは、登山用語で、大きな石や岩がゴロゴロ散乱している場所を指しますが、もともとは、北アルプスの野口五郎岳、黒部五郎岳という山名の五郎もゴーロに由来するように、山人(木こりなど山仕事の人たち)の用語だと推測できます。
谷に沿って続く4条の岩海は、最大の「ぜにがめごうろ」(幅65m、全長500m)のほか、「なかごうろ」(幅35m、全長400m)、「こごうろ」(幅30m、全長130m)、「おおごうろ」(幅90m、全長350m)と呼ばれてきました。
広島県府中市上下町の矢野の岩海とともに「久井・矢野の岩海」として国の天然記念物にも指定され、花崗岩地帯である広島県らしい奇勝を楽しむことができます。
久井の岩海 | |
名称 | 久井の岩海/くいのがんかい |
所在地 | 広島県三原市久井町吉田 |
関連HP | 三原市公式ホームページ |
ドライブで | 山陽自動車道三原久井ICから約14km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 三原市文化課 TEL:0848-64-9234 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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