毎年8月第1日曜6:00~21:00、愛知県犬山市で『石上げ祭』が行なわれます。尾張富士に鎮座する木花開耶姫命が本宮山より標高が低いことを嘆いたことに由来するという、尾張冨士大宮浅間神社の祭礼で、尾張富士の山頂へと石を運び上げるもの。犬山市の無形民俗文化財で「尾張三奇祭」のひとつに数えられています。
個人なら当日の「石上げ」参加も可能
昔、とある信者が尾張富士(275.04m)へ参籠祈願に登拝したときのこと、夢枕に、富士浅間神社の祭神・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)が現れ、隣の本宮山(標高292.84m)の方がやや高く、尾張富士の方が低いことを、大いに歎いきました(尾張富士、本宮山、白山=尾張三山)。
この夢告を深く感じた熱心な信者は、神慮に応えようと木曽川の清浄な大石を拾いあげ、尾張富士の山頂へ積み上げます。
これを伝え聞いた五郎丸村(現在の犬山市の中央部から西部)の村民が大石を奉納して、富貴長命、子孫繁栄、五穀豊穣を祈願。
これを創始として、さらに塔野地村(とうのじむら=現・犬山市塔野地)、前原村(犬山市北東部)、羽黒村(犬山市南部)の若者たちが、相次いで献石するようになり、以降、献石の範囲は広まり、ついには近隣各地の人たちが競って献石するようになったというもの。
今も尾張冨士大宮浅間神社の祭礼として齋行され、献石には2人で担ぐ2点吊りから、最も大きいものは32点吊りまでさまざま。
毎年、祭ごとに200釣以上の献石があり、盛大に齋行されています。
『愛知万博』の際には、「石上げ祭伝承保存会」と地元の冨士町内会が32点吊りの記念碑を献石しましたが、例年500組以上の献石が行なわれています。
20:00〜は、尾張冨士山頂にむけて花火が打ち上げられます。
さらに1000個の提灯がゆらめく参道を、80名が火をつけた松明(たいまつ)を振り回しながら、一気に駆け下りる勇壮な『火振り神事』が行なわれます。
6:00~石上げ行事、20:00~花火、20:00~21:00火振り。
尾張三大奇祭
尾張三大奇祭とは熱田神宮の『歩射神事』(ほしゃしんじ/1月15日)、稲沢市の『国府宮はだか祭』(2月/旧暦正月13日)、名古屋市中村区岩塚町の七所社(ひちしょしゃ)の「きねこさ祭」(2月=旧暦1月17日)というのが通例ですが犬山ではこの『石上げ祭』を尾張三大奇祭のひとつに数えています。
石上げ祭|犬山市 | |
開催日時 | 毎年8月第1日曜6:00~21:00 |
所在地 | 愛知県犬山市富士山3 |
場所 | 尾張冨士大宮浅間神社 |
関連HP | 犬山市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 名鉄犬山駅から明治村行きバスで長者町下車、徒歩10分 |
ドライブで | 中央自動車道小牧東ICから約6km |
駐車場 | 100台 |
問い合わせ | 尾張冨士大宮浅間神社 TEL:0568-67-0037 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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