岩手県遠野市にある昭和55年に開館した日本初の民俗学専門の博物館が遠野市立博物館。平成22年に『遠野物語』発刊100周年、開館30周年でリニューアルが行なわれています。柳田國男の『遠野物語』を軸に、遠野の人々の自然や暮らし、民俗、文化、歴史を詳しく紹介しています。
『遠野物語』を通じて遠野の民俗、歴史、文化を学ぶ
第1展示室「遠野物語の世界」で注目は、『遠野物語』の著者、柳田國男が遠野を旅した明治42年頃にタイムトリップできる遠野の風景や民話が上映されるマルチスクリーンシアター。
アニメーション『水木しげるの遠野物語』などを上映しています。
「遠野のなりたち」では、地形ジオラマ・スクリーンなどを使って遠野の歴史を読み解きます。
第2展示室「遠野 人・風土・文化」では、実物やジオラマを使って遠野の文化と民俗を紹介。
明治から大正時代頃の市日でにぎわう通りをイメージした「町」、昭和30年代~40年代、遠野で暮らす家族の一年をあらわしたジオラマを中心に紹介する「里」、神や獣が棲む異郷と考えられ、山仕事や山伏、早池峰山信仰の資料を展示し、自然への畏怖を感じ取る「山」という、暮らしの領域別に遠野の暮らしに迫ります。
第3展示室は企画展示室で、特別展・企画展開催時以外は、定期展示「『遠野物語』と現在」を行なっています。
柳田國男『遠野物語』と佐々木喜善
『遠野物語』は、柳田國男が明治43年に発表した遠野の説話集。
土淵村(現在の岩手県遠野市土淵)の農家に生まれ、早稲田大学に学び、オシラサマやザシキワラシなどの研究と、400編以上に上る昔話の収集した佐々木喜善(ささききぜん)。
佐々木喜善の語る民話や伝承を柳田國男が筆記・編纂する形で出版されたのが『遠野物語』です。
日本の民俗学の先駆けともいわれる『遠野物語』ですが、その背景には金田一京助が「日本のグリム」と賞した佐々木喜善の存在があったのです。
明治41年11月4日、早稲田大学在学中の佐々木喜善は、水野葉舟の仲立ちで柳田國男に出会い、柳田が佐々木の下宿を訪れて聞き取りを行なった後、明治42年8月23日、柳田國男は遠野に足を踏み入れたのです(前日の夜行で上野を発ち、花巻駅から人力車を乗り継いで遠野・高善旅館に夜到着)。
今では有名なですが、初刷は350部で自費出版でした。
遠野市立博物館 | |
名称 | 遠野市立博物館/とおのしりつはくぶつかん |
所在地 | 岩手県遠野市東舘町3-9 |
関連HP | 遠野市公式ホームページ |
電車・バスで | JR遠野駅から徒歩12分 |
ドライブで | 釜石自動車道東和ICから約35km |
駐車場 | とおの物語の館駐車場(40台/無料)、市民センター(57台/無料)を利用 |
問い合わせ | 遠野市市民センター TEL:0198-62-2340 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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