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【ローマ風呂に注目!】江の島・岩本楼

江の島・岩本楼

ローマ風呂をご存知でしょうか? 昭和初期に古代ローマの公共浴場、テルマエをモデルにして誕生したというのがローマ風呂。あの『テルマエ・ロマエ』の世界は、昭和初期から日本にあったということに。その元祖として知られる神奈川県藤沢市、江の島・岩本楼のローマ風呂(昭和5年完成)は、今も現役です。

昭和5年に完成した岩本楼ローマ風呂は文化財に!

江戸時代には洞窟に鎮座する江の島弁財を詣でる江の島詣で大賑わいでしたが、大正時代から昭和の初期にかけて、湯本駅〜強羅駅間の鉄道開業などにより、箱根などに宿泊客を奪われる事態が生まれ、起死回生策として誕生したのが、このローマ風呂です。

もともと岩本楼は江島神社・奥津宮の別当寺「岩本院」が前身という老舗で、かつ江の島随一の名門。
鎌倉時代から、時の将軍、天皇の勅使、江の島に詣でる大名などの宿坊として機能していましたが、明治の神仏分離、廃仏毀釈の荒波を受け、旅館業に転身したのです。

明治以降も、その立地の良さもあって「湘南・江の島の海と富士山の絶景を望む宿」として文人墨客に愛されてきた宿ですが、昭和初期に誕生した「岩本楼ローマ風呂」と江島神社の祭神・弁財天を祀った「弁天洞窟風呂」は、今も岩本楼の自慢のひとつ。

ローマ風呂は、「Royal style Roman bath」と英訳されるように、正しくは王朝風ローマ風呂。
孔雀模様のステンドグラス(東京市京橋区入船町にあった別府スティンド硝子製作所・別府七郎の製作)の配されたこれまた豪華なガラス戸を開けると、古代ローマの馬蹄型浴槽が出迎えてくれます。
見上げると、天井は聖堂を思わせる光が差し込むガラスドーム。
壁面には壁泉やベネチア窓風飾りをタイルやテラコッタで造るという心憎い配置で(タイルなどは小森忍の作品)、「再現することが難しい建造物」としてローマ風呂自体が国の登録有形文化財になっています。

このローマ風呂を生み出したのは岩本楼47代目の岩本兼吉。
江の島では関東大震災の隆起による被害などもありましたが、ようやくそれを乗り越えようとする時に、兼吉は、丹那トンネル開通(昭和9年12月1日)で熱海に客を取られるのを防ぐため、このローマ風呂新設に踏み切ったのです。

泉質や絶景、かけ流しにこだわる温泉ファンは多いと思いますが、この異色の空間、岩本楼ローマ風呂は一度は体験する価値があります(岩本楼は温泉ではありません)。
日帰り入浴もないので、宿泊し、自慢の会席料理とともに体験を。

こちらは「弁天洞窟風呂」
【ローマ風呂に注目!】江の島・岩本楼
名称 岩本楼/いわもとろう
所在地 神奈川県藤沢市江の島2-2-7
関連HP 岩本楼公式ホームページ
電車・バスで 小田急線片瀬江ノ島駅から徒歩15分。江ノ島電鉄江ノ島駅、湘南モノレール江の島駅から徒歩20分
ドライブで 横浜横須賀道路朝比奈ICから約15km
駐車場 50台/有料
問い合わせ TEL:0466-26-4121
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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