香川県さぬき市、女体山(標高776m)の山麓に位置する、真言宗大覚寺派の古刹、大窪寺。四国遍路を締めくくる結願(けちがん)の寺となる四国八十八ヶ所霊場第88番札所。納経印も「結願所」で、お遍路さんが奉納したおびただしい数の金剛杖や菅笠が置かれています。
四国遍路を締めくくる結願の寺
養老元年(717年)、行基が霊夢を感得し草庵を建て修行をしたのが開基伝承で、弘仁6年、唐から帰国した空海(弘法大師)が奥の院にある岩窟で、虚空蔵求聞持法を修法し堂宇を建立。
等身大の本尊・薬師如来坐像を自刻、安置し、唐の恵果阿闍梨より授かった三国(印度、唐、日本)伝来の錫杖を納めて大窪寺と名付けたと伝えられています。
本堂は、礼堂、中殿、奥殿(多宝塔)から成り、奥殿に本尊・薬師如来が祀られ、空海の四国巡行中手にしていた三国伝来の錫杖が納められ、まさに結願の地の聖地になっているのです。
境内背後、女体山への登山道を30分ほど歩けば胎蔵峯寺(奥の院)があり、唐から帰国した空海が修業した地と伝えられています(さぬき市史跡の「大窪寺奥の院信仰遺跡」)。
冬季は積雪があることもあり、また荒天の際など入山には注意が必要です。
本尊の薬師如来坐像(秘仏、奈良時代末期の作)は、通常は左手に薬壺を持っていますが、大窪寺は法螺貝(ほらがい)を手にしています。
参拝者の悩み、煩悩を法螺貝が吹き飛ばすのかもしれません。
女人高野として、女性にも人気の寺
古くから女性の登山が許された「女人高野」としても信仰があり、広い境内は、奇岩に覆われた胎蔵ヶ峰(たいぞうがみね)を背景に、本堂、奥殿(二重多宝塔)などがあり、桜、新緑、紅葉など、四季を通じて美しいことでも有名。
「同行二人」をともにした金剛杖などは、大師堂脇の寶杖堂(ほうじょうどう)へ奉納。
結願証明書(賞状)を授与してもらえます。
空海(弘法大師)を祀る大師堂へは地下の内拝口から入りますが、内部には四国八十八ヶ所の本尊がすべて祀られており、納経所で申し込みをすれば、「お砂踏み」も可能です(一周すれば参拝と同じご利益が)。
8月は除く毎月12日に『本尊護摩供』、不動明王の縁日である28日に『不動護摩供』、3月21日(春分の日)、8月11日(山の日)に『柴燈護摩供』、9月23日に『土砂加持法要』、冬至の日に『星祭法要』が執り行なわれています。
「讃岐遍路道 大窪寺道」(長尾寺から大窪寺の間、1.5kmの区間)は国の史跡になっています。
四国八十八ヶ所霊場(四国遍路) 霊場間の距離・時間
87番札所・長尾寺(ながおじ/香川県さぬき市長尾西653)・・・ (車18km・40分/徒歩15.6km・5時間)・・・88番札所・大窪寺(おおくぼじ/香川県さぬき市多和兼割96)
大窪寺(四国八十八ヶ所霊場第88番札所) | |
名称 | 大窪寺(四国八十八ヶ所霊場第88番札所)/おおくぼじ |
所在地 | 香川県さぬき市多和兼割96 |
電車・バスで | ことでん長尾駅からタクシーで30分 |
ドライブで | 高松自動車道高松西ICから約35km |
駐車場 | 100台/無料 |
問い合わせ | 大窪寺 TEL:0879-56-2278 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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