2024年8月10日(土)19:00~20:30、石川県白山市柏野(かしわの)で『柏野じょんがら踊り』が開催。かん高い音頭『柏野じょんがら節』にあわせて、手踊り、扇踊り、団七踊り、笠松踊りの4種類の踊りが同時に披露される異色の盆踊り。太鼓などの音色に合わせ、練習を重ね、伝統の盆踊りを継承しています。
盂蘭盆の盆踊りとして披露
盂蘭盆(うらぼん)に、「柏野公民館」に隣接する柏野じょんがら公園で披露される『柏野じょんがら踊り』。
踊りを編み出したのは、内匠清八郎と伝えられ、北陸地方に発達した盆踊り歌の独特の形式「やんれ口説き」(口説く=「繰り返し説く」)の中に「娘仇討奥州口説きやんれぶし」の囃子(はやし)と歌舞伎の立ち廻りなどが振り付けとなって現在の団七踊り、笠松踊りが編み出されました。
細かいばちさばきの三味線と抑揚の少ない尺八、単純な太鼓で軽快さと悠長さを併せ持ったような不思議な囃子に合わせて、独特のかん高い音頭の唄が唄われます。
この『柏野じょんがら節』」に合わせて、手踊り、扇踊り、団七踊り、笠松踊りの4種類の踊りが披露されるのです。
一般的な手踊りと扇踊りの輪の中にまじって、段物と呼ばれる団七踊りと笠松踊りとが、揮然一体となって踊られる仕組踊りとなっています。
加賀に伝わる「じょんがら」、謎めくそのルーツ
石川県の加賀地方、加賀市から、北は宝達志水町あたりまでに分布するのが「じょんがら」(地域によっては「じょんから」)という盆踊り唄。
意味や由来は定かでありませんが、仏教用語の「常和楽」(念仏によって、常時、平穏安楽を得る)、「自安和楽」(じあんわらく=自から安んじて和やかに楽しむ)から来ているという説もあります。
平安時代の永延元年(987年)、加賀の国司となった富樫忠頼(とがしただより)の政治理念が「自安和楽」で、その時代の盆休みに手を取り合って踊り明かしたのが「自安和楽=じょんがら」だというわけです。
また本願寺中興の祖で北陸の浄土系諸門を統合した蓮如上人を表す上様(じょうさま)の可能性を説く人も。
新潟県十日町市新保にある禅寺「広大寺」から発祥したといわれる「新保広大寺節」がルーツともいわれていますが定かでありません(「津軽じょんから節」に影響を与えたのが「新保広大寺くずし」)。
長崎県平戸市には国の無形民俗文化財に指定される豊年を願う念仏踊「平戸のジャンガラ」があるので、このジャンガラが北前船などによって伝搬したとも考えられるのです。
『甲子夜話』(1821年)によれば、ジャンガラの名は囃子の鉦の音(ジヤン)と太鼓の音(グワラ)に由来。
太平洋側の福島県いわき市にも『じゃんがら念仏踊り』が伝搬しており、映画『超高速! 参勤交代 リターンズ』のラストシーンに湯長谷藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)や姫君・お咲(深田恭子)も参加して輪になって踊るシーンが登場します。
画像協力/白山市観光連盟
柏野じょんから節
- ハアここは加賀国柏の宿よ(ハアドッコイ)
昔ゃ宿場でその名も知れる(アードッコイセドッコイセー) - ハア昔ゃ宿場でその名も知れる(ハアドッコイ)
今は踊りでその名も高い(アードッコイセドッコイセー) - ハアあの娘じょんな娘じゃわし見てわろた(ハアドッコイ)
わしも見てやろアリャわろてやろ(アードッコイセドッコイセー) - ハア唄の村だよ柏野在所は(ハアドッコイ)
田植え草取りアリャ唄で取る(アードッコイセドッコイセー)
柏野じょんがら踊り|白山市|2024 | |
開催日時 | 2024年8月10日(土)19:00~20:30、柏野夏祭り16:00~ |
所在地 | 石川県白山市下柏野町483 |
場所 | 柏野じょんがら公園 |
関連HP | 白山市観光連盟公式ホームページ |
電車・バスで | JR加賀笠間駅から徒歩20分 |
ドライブで | 北陸自動車道徳光スマートICから約6km、白山ICから約8.5km |
問い合わせ | 柏野コミュニティセンター TEL:076-276-1282 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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