2月の第1日曜に、大分県中津市北原の原田神社で行なわれる『万年願』(まんねんがん)で奉納される人形芝居が『北原人形芝居』。鎌倉時代に出家した北条時頼がこの地で病に倒れた際に村人の看病で見事回復。その祝いの席で始まったという伝承の歴史ある人形芝居です。大分県の無形民俗文化財に指定。
鎌倉時代に創始した人形芝居が地元の熱意で伝承される!
地元、北原人形芝居保存会(平成2年に結成)、三保小学校人形クラブが伝承保存に尽力、人形操り、語り(義太夫)、義太夫三味線の技の習得に努めています。
基本的に文楽と同じ三人遣いですが、足の指で人形のかかとをつかみ、右手で首を、左手で人形の両手を一度に操る「挟み遣い」は、全国でも北原人形芝居にのみ伝わる独特の操演法となっています。
元禄年間には上方浄瑠璃の影響を受け、三味線の伴奏と太夫による語りとともに演じられるようになり、九州各地を巡業するほどまで発展しました。
現在、伝承される演目は、「翁渡」(おきなわたし)、「傾城阿波鳴門」(けいせいあわのなると)、「伊達娘恋緋鹿子」(だてむすめこいのひがのこ)、「日高川安珍清姫」(ひだかがわあんちんきよひめ)、「日高川入相花王」(ひだかがわいりあいざくら)、「絵本太功記」(えほんたいこうき)など。
毎年立春に奉納されていましたが、平成9年から2月の第1日曜に奉納されています。
北条時頼の「廻国伝説」
ちなみに北条時頼が執権を退いた晩年に諸国を遊行したという「廻国伝説」は、人形浄瑠璃や義太夫、そして歌舞伎では中村座の「女鉢木三鱗」、江戸市村座の「鉢木大鑑」などに取り入れられて江戸時代に定着しましたが、鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』などには出家後は病を患っていたことが記されており、九州方面への旅の話は後世の創作だと推測できます。
万年願 北原人形芝居|中津市 | |
開催日時 | 2月の第1日曜12:30〜15:30 |
所在地 | 大分県中津市北原305 |
場所 | 原田神社 |
関連HP | 中津市公式観光サイト |
電車・バスで | JR中津駅から大交北部バス四日市、高田、安心院方面行きで野路山、または、北原入口、徒歩10分 |
ドライブで | 中津日田道路犬丸ICから約1.5km |
問い合わせ | 中津市文化財室 TEL:0979-22-1111 |
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