神奈川県横浜市、山下公園の氷川丸を係留する特設桟橋先端に移設保存される明治時代の灯台が旧横浜東水堤灯台。横浜が貿易港として発展するために築かれた航路を進む船へ港の入り口を示す防波堤灯台として横浜港北水堤の先端に建つ赤灯台とともに建設されたもので、こちらは白灯台。横浜港内防波堤突端に建つ紅白灯台の1基だったもの。
氷川丸横の山下公園特設桟橋に移設保存
横浜観光に訪れ山下公園を歩いたり、水上バスで山下公園に着岸する人もほとんどが気が付かない小さな灯台ですが、イギリス人技師ヘンリー・スペンサー・パーマー(Henry Spencer Palmer=横浜上水道建設に活躍)の設計で明治29年5月に完成した内防波堤の突端に築かれたもの。
横浜北水堤灯台(赤灯台)は現役で活躍していますが、内防波堤のうち東水堤は、山下ふ頭(昭和38年完成)の建設で、堤防は361mが現存するのみとなっています。
そのため、横浜東水堤灯台は記念灯台として氷川丸横の山下公園特設桟橋先端に移設保存されたのです。
実は、横浜港の内防波堤に築かれた紅白の灯台、防波堤に設置された日本最初の灯台であるとともに、日本最古の防波堤灯台なのです。
昭和33年4月14日、横浜港をホノルル港に向け強風の中、出港したキュナード・ライン社(Cunard Line=イギリスの海運会社)の客船「カロリナ号」(当時『春季世界一周クルーズ』が有名でした)が、米軍艦とのニアミスを避けるため旋回したことで東水堤に激突、この横浜東水堤灯台(白灯台)をなぎ倒すという事故も起きています。
灯台は引き上げられ、昭和38年10月、山下ふ頭の建設で氷川丸横に移設、さらに平成22年に復原修理されて、往時の姿を蘇らせているのです。
ちなみに、外港から内港内に入る時、内港を囲む防波堤の突端右側に赤灯台(赤い光)、左側に白灯台(緑色の光)を置くのは国際的なルールになっています。
旧横浜東水堤灯台 | |
名称 | 旧横浜東水堤灯台/きゅうよこはまひがしすいていとうだい |
所在地 | 神奈川県横浜市中区山下町山下公園地先 |
電車・バスで | 横浜高速鉄道みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩4分 |
ドライブで | 首都高速横羽線横浜公園ランプから約2km |
駐車場 | 山下公園駐車場(223台/有料) |
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