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太田園

太田園

神奈川県川崎市多摩区生田3丁目にある梨園が、太田園。江戸時代に梨の栽培が始まり、大正時代には関東における梨の一大産地となった多摩川流域。川崎市内では30haで梨が栽培され、そのうちの一軒、新品種の生水(いくすい)を生み出したのが太田園です。

例年8月〜10月には「生水」など梨の直売所も開設

沢崎市内では、第二次世界大戦時に梨の木は伐採され、終戦後、梨畑の面積は最盛期の230haから37haにまで減少。
戦後、梨栽培の復興を目指し、川崎市の果樹苗導入の助成で栽培面積も125haまで拡大しましたが、高度経済成長時に大きく減り、今では貴重な近郊農家として梨の栽培を続けています。

有名な長十郎(販売期間:8月下旬~9月下旬)は、明治26年に大師河原町(現・川崎区出来野)の当麻辰次郎氏の梨園で、新品種として発見されたもので、屋号を採って長十郎と名付けたもの。
明治30年に黒星病(果実や葉に症状が出る菌の病気)の流行にも負けなかったことから「病気に強い品種」として栽培量が急増し、定番の品種として定着したのです(近年は新品種の登場で栽培量も大幅に減少)。

長十郎と同じ赤梨の生水(いくすい)は、太田園で豊水と二十世紀をかけ合わせ、平成13年に登録された新しい品種。
「生水の名は、生田で生まれた梨から命名」とは、太田園の太田聡(おおたさとし)さんの解説。
やや酸味があるが甘いのが特徴で、糖度は長十郎を超えた13度ほど。
例年9月中旬~下旬に直売されています。
「大昔、一帯は多摩川だったため、今でも50cmほど掘ると砂利が出てきます。砂利があるため、根が伸びづらく梨の木の大きさは小さめですが、水はけが早いおかげで感じる甘みが違います」(太田聡さん)。

太田園の直売所(例年8月~10月頃、9:00~18:00営業)には2〜3個入りの小さい袋も用意されており、通りがかりに購入していく人も多いとのこと(地方発送も可能)。
おすすめの味わい方は、「冷蔵庫でほどよく冷やし、きれいに洗った状態で皮ごと食べること」(太田聡さん)。

自慢の梨は、太田園など各農家の直売所のほか、JAセレサ川崎が運営するファーマーズマーケット「セレサモス」にて購入することが可能。

画像協力/川崎市多摩区

太田園
名称 太田園/おおたえん
所在地 神奈川県川崎市多摩区生田3-7-41
関連HP 多摩区公式ホームページ
電車・バスで 小田急線生田駅、JR中野島駅から徒歩20分
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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