隅田川に架かる駒形橋。そのたもとに駒形という地名の由来になった駒形堂があります。実はこの小さなお堂、東京最古といわれる歴史を誇る浅草寺のさらにルーツとなるお堂。江戸時代には吉原通いの粋人が乗る渡し舟の舟着き場も近くにあったことから、多色刷りの浮世絵(錦絵)にも描かれています。
一勇斎国芳(歌川国芳)『駒形の朝霧』
近辺の料理屋の女将たちが浅草寺に朝参りに向かうところ。女将を先頭に、子供を背負った奉公人、娘と続きます。背後の駕籠(かご)の列は、吉原(遊郭)からの朝帰りの客をのせていると推測できます。今も変わらぬ姿の駒形堂がシルエットで描かれています。
1843(天保14)~1847(弘化4)年頃の様子。
歌川広重『名所江戸百景 駒形堂吾妻橋』
『名所江戸百景』(めいしょえどひゃっけい)は、浮世絵師・歌川広重が幕末の1856(安政3)年〜1858(安政5)年にかけて制作した連作浮世絵名所絵。下の古地図から見てもよくわかりますが、当時駒形堂一帯には材木屋が並び、材木町と呼ばれていました。
図の右隅には、立てかけて貯木された木材が描かれています。赤い旗は、吉原の遊女の土産でも人気だった紅や白粉を売る店。左下に描かれたのが駒形堂です。
この時代は、まだ駒形橋はなく、吉原通いの人はここから舟で隅田川(大川)を上流へと遡りました。
切絵図で知る駒形堂
駒形堂 | |
名称 | 駒形堂/こまがたどう |
所在地 | 東京都台東区浅草2-2-3 |
関連HP | 浅草寺公式ホームページ |
電車・バスで | 都営地下鉄浅草線浅草駅から徒歩1分。東京メトロ銀座線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス浅草駅から徒歩4分 |
ドライブで | 首都高速入谷ランプから約1.5km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 浅草寺 TEL:03-3842-0181(平日10:00〜16:00) |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag