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山の中の海軍の町にしき ひみつ基地ミュージアム

熊本県球磨郡錦町、人吉海軍航空隊基地の滑走路跡横にあるのが、山の中の海軍の町にしき ひみつ基地ミュージアム。太平洋戦争末期、沿岸部から30km以上も離れた九州山地に囲まれた人吉盆地に築かれた秘密基地で、歴史に埋もれた基地の秘密を解明、紹介する施設となっています。

洞窟状の地下魚雷調整場などの「秘密基地」を見学

平成27年、「人吉海軍航空隊を顕彰する有志の会」が発見された資料をもとに行なわれた現地調査で、これまで防空壕だと思われてきた遺構が、実は大規模な海軍の地下基地跡だということが判明。
貴重な史料と調査結果は、錦町に寄贈され、それを受けて平成30年、「山の中の海軍の町にしき ひみつ基地ミュージアム」が開館。
つまり、戦後、70年余り、海軍基地は地元の人にも秘密であり続けたのです。

人吉海軍航空基地は、太平洋戦争が激化した昭和18年11月、海軍施設部により建設がスタート。
全長1500m、幅50mのコンクリート製滑走路、本部庁舎や実習棟、兵舎などを有する、本格的な海軍基地として築かれ、昭和19年2月、人吉海軍航空隊が発足しています。
海軍飛行予科練習生が入隊し、ここで学んだ練習生は6000人にものぼります。

昭和20年3月18日にはアメリカ軍の空襲を受け、爆撃にも耐えうる地下軍事施設の建設が進みました。
昭和20年7月10日には「中型練習機・軽爆撃機ヲ以テ作戦スル施設」として本土決戦を控えた兵站基地・作戦基地へと変身しています。
昭和20年8月15日の終戦時には九三式中間練習機96機や雷電1機、零式艦上戦闘機2機、九六式艦上戦闘機19機が残されていました。

洞窟状の地下魚雷調整場(総延長233.6mの地下施設)、奥行き80mと45mの穴が4本ずつ、並行に並んだ地下兵舎壕、コンクリート造りの地下作戦室・無線室などが現存。
地下の遺構が多いため、秘密基地の雰囲気が色濃く漂っています。

常設展示室では人吉海軍航空基地の歴史を詳しく解説。
「ひみつ基地」というネーミングの由来となる、現存する地下遺構も大型の壁面空中写真で確認することができます。

ユニークなのは、国威発揚、国民を戦争へと誘うプロパガンダポスターで、時系列で並べることで、戦争に突入していく世相が浮かび上がってきます。

山の中の海軍の町にしき ひみつ基地ミュージアム
名称 山の中の海軍の町にしき ひみつ基地ミュージアム/やまのなかのかいぐんのまちにしき ひみつきちみゅーじあむ
所在地 熊本県球磨郡錦町木上西2-107
関連HP 山の中の海軍の町にしき ひみつ基地ミュージアム
ドライブで 九州自動車道人吉ICから約6km、人吉球磨スマートICから約8km
駐車場 50台/無料
問い合わせ 山の中の海軍の町にしき ひみつ基地ミュージアム TEL:0966-28-8080
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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