綾部大橋は、京都府綾部市街地の東方、京都府道450号(広野綾部線)が由良川を渡る地点に昭和4年に完成した橋長210mの道路橋で国の登録有形文化財。木造でつくられた旧橋の形式が踏襲され、1スパン(径間)29.26mのボーストリング・トラスを7つ連続して架け渡しています。「蚕都」綾部の発展を支えた橋です。
「蚕都」と呼ばれた綾部に架橋
明治初頭まで由良川には橋がなく、渡船に頼っていましたが、明治9年頃に架設の橋が誕生し、さらに明治27年11月に本格的な木造橋が完成(明治29年8月の洪水で流出)。
明治31年5月に、現在の綾部大橋の場所に木造橋が再度架橋されますが、明治32年8月に、あえなく流出しています。
そんな中、 架橋されたのが、鉄骨製のボーストリング・トラス桁橋(Bowstring truss)。
上弦と下弦がそれぞれ弓(ボウ)と弦(ストリング)のような形状となっているもの。
世界恐慌の真っ只中でしたが、養蚕・生糸業を中心に発展し「蚕都」(繊維メーカー大手・グンゼの発祥地)いわれた綾部は好景気だったのです(昭和10年頃に黄金期を迎えています)。
ボーストリング・トラス桁橋は、明治6年に架けられた東京の心斎橋をはじめに明治~昭和初期に多く架けられた橋の形式。
ボーストリング・トラスとは、ドイツのハーコート社が開発したプレハブ橋で、通行車両の大型化により次々と架け替えられて、そのほとんどが姿を消しています。
綾部では、交通の中心は丹波大橋、新綾部大橋に移り、綾部大橋は奇跡的に残され、架橋時の風景を今に伝えています。
製作は鋼橋と建築鉄鋼の製作を専業としたパイオニアで、大阪に本店を構える松尾鉄骨橋梁(現・IHIインフラシステム)。
綾部大橋 | |
名称 | 綾部大橋/あやべおおはし |
所在地 | 京都府綾部市並松町・味方町 |
関連HP | 綾部市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR綾部駅から徒歩20分 |
ドライブで | 舞鶴若狭自動車道綾部ICから約5km |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 綾部市観光協会 TEL:0773-42-9550 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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