福井市のマンホールに描かれているのは福井市のシンボルである不死鳥(フェニックス)です。デザインは一般公募の作品から選ばれ、ライトブラウンとダークブルーの2羽のフェニックスが点対称に描かれています。
不死鳥は福井市復興のシンボル
平成元年に市制100周年を迎え、記念事業の一環としてこのマンホールが制作されました。
不死鳥(フェニックス)は、形はワシに似ていて、赤や金の翼をもち、死期が近づくとみずから燃える火の中に入って焼かれ、その灰の中から再生するといわれる伝説の鳥。
そんな伝説の鳥が福井市民にとって特別な存在となっているのは、福井市には度重なる災禍にめげずに、立ち上がったという歴史があるからなのです。
福井市は、福井空襲(昭和20年)や、戦後復興の最中にマグニチュード7.1の大地震が発生した福井大震災(昭和23年)、その直後に追い打ちをかけるような集中豪雨により九頭竜川の堤防決壊など、いくつもの災禍を乗り越え、伝説の霊鳥・不死鳥のごとく蘇ったのです。
福井空襲では、市街地の89パーセントが焼き尽くされ、3年後の地震で98パーセントを失っています。そこからの復興ですからまさに不死鳥。
昭和27年には、福井復興博覧会(繊維博)が盛大に開催されるに至りました。この博覧会のシンボルマークに不死鳥が採用されました。
昭和39年6月28日には、福井市市民憲章「不死鳥のねがい」を制定。福井市はフェニックスをシンボルマークに掲げ、大切に受け継いでいるのです。
不死鳥といえば、布施明の『愛は不死鳥』(昭和45年/作詞/川内康範・作曲/平尾昌晃)ですが、昭和29年に連載が始まった手塚治虫の『火の鳥』も不死鳥がテーマ。
不死鳥は、日本人にとって戦後の復興、高度成長のシンボルだったのかも知れません。
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