鹿児島県南九州市知覧町といえば、「薩摩の小京都」と呼ばれる知覧麓の武家屋敷、知覧茶、そして知覧特攻平和会館が知られていますが、枕崎市との境界近く、鹿児島県道34号(枕崎知覧線)沿いにあるのが、日本唯一の現役で採掘する金鉱山の赤石鉱山(あけしこうざん)です。
南九州には金の露天掘り鉱山が3ヶ所も!
国土地理院の2万5000分の1地形図を見ると、鉱山のマーク(採鉱地記号)の下に、「きん」の文字が。
国土地理院によれば、「採鉱地は、記号といっしょに、地中からほり出す鉱物(せっかいやタングステンなど)の名前を一種類、ひらがなまたはカタカナで表示します」とのことで、赤石鉱山には、「きん」の2文字が。
漢字で金と記せば、地名と判別がつかなくなることから、こうしたひらがな、カナカナ表記になっているのですが、国内で唯一の金鉱山ということなので、ほかでは見ることのできない文字「きん」ということになります。
三井系列の三井串木野鉱山が経営し、今なお露天掘りで金鉱石を採掘、採掘された鉱石は、破砕後に篩い分けされ、売含金珪酸鉱として国内銅製錬所へ販売されています。
赤石鉱床(赤石鉱山)のほか、枕崎市には春日鉱床(春日鉱山)、岩戸鉱床(岩戸鉱山)もあって金を露天掘りしています。
地元で産する芋焼酎用のサツマイモの品種に「コガネセンガン」(黄金千貫)がありますが、この金を露天掘りする鉱山があっての名前。
金ならぬデンプン量の含有量が多い品種で、外皮は黄金色ですが、やはり、金山を意識したと推測できます(「黄金色のイモがざくざく穫れる」、「黄金を千貫積むほど値打ちがあるイモ」という説も)。
【地図を旅する】vol.18 日本唯一の現役!金露天掘り地帯が、鹿児島県に | |
名称 | 赤石鉱山/あけしこうざん |
所在地 | 鹿児島県南九州市知覧町塩屋 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag