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「近代化産業遺産」登録のクラシックホテルに泊まろう! 【中部・西日本編】

クラシックホテル

「外貨獲得と近代日本の国際化に貢献した観光産業草創期の歩みを物語る近代化産業遺産群」として経済産業省の「近代化産業遺産」に登録されるクラシックホテル。現役で営業が続き、宿泊できるのは、中部以西(静岡県・長野県以西)では6軒。一度は泊まりたいクラシックホテルばかりです。

万平ホテル|長野県

所在地:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925
内容:明治27年、外国人宣教師たちが避暑地として見出した軽井沢(中山道軽井沢宿)に佐藤万平が亀屋ホテルを創業したのが前身。
明治35年、ホテルをメインストリート(軽井沢宿)から桜の沢に移転し、西洋建築のホテルを新築。
昭和11年に現在の本館(アルプス館)が竣工、ハーフティンバー風の外観に。
上海などに在留の外国人が夏の避暑地としたことからも、収納が多くゆったりとした間取り、猫足のバスタブなど、客室も特徴的です。
ジョンレノンの愛した宿、カフェのアップルパイでも有名。
文化財登録:本館(アルプス館)は国の登録有形文化財

川奈ホテル|静岡県

所在地:静岡県伊東市川奈1459
内容:大倉財閥2代目・大倉喜七郎が、留学先の英国貴族たちが楽しむカントリーライフに憧れ、その実現の地に選んだのが、東伊豆の川奈。
昭和3年、ゴルフコース「大島コース」を開業、上流階級の社交場となったことを受け、昭和11年に宿泊施設として「川奈ホテル」が開業。
戦後はGHQが接収しますが、戦後はマリリンモンロー、ジョー・ディマジオが新婚旅行で宿泊、皇族や貴賓の宿泊も多数あります。
現在はホテルオークラの経営を離れ、プリンスホテルが運営、格調高いサービス、料理などを受け継いでいます(宿泊者向けに館内の見学会も実施するほか、歴史展示コーナーもあります)。
文化財登録:川奈ホテル、川奈ホテルゴルフコースなどが国の登録有形文化財

蒲郡クラシックホテル|愛知県

所在地:愛知県蒲郡市竹島町15-1
内容:明治45年、名古屋の織物商・瀧信四郎が前身となる「料理旅館常磐館」を開業、昭和9年、国際観光ホテルとして蒲郡ホテル完成、日米野球でアメリカチーム(ベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグら)が宿泊しています。
戦中は日本陸軍病院として使われ、戦後、GHQに接収後、ホテルの営業を再開、昭和62年からプリンスホテル経営に、さらに平成24年に呉竹荘と経営が変わっていますが令和6年にホテル開業90周年を迎えています。
眼前に竹島を望む優雅なメインダイニングルームのフランス料理も自慢(外来利用も可能)。
ラウンジ・バー「アゼリア」はテラス席も用意。
文化財登録:ホテル本館、六角堂、料亭竹島、鶯宿亭が、国の登録有形文化財

奈良ホテル|奈良県

所在地:奈良市高畑町1096
内容:日露戦争の戦勝を契機に来遊する外国人が増加したことを受け、明治42年、国賓・皇族の宿泊する関西の迎賓館として建築家・辰野金吾設計で誕生。
鉄道院が建設を担当し、和洋折衷様式を採用した建物で、当初は大日本ホテルが運営していましたが、経営不振から大正2年に鉄道院経営に(昭和58年に国鉄と都ホテル50%ずつの出資による株式会社奈良ホテルが設立、現在はJR西日本ホテルの経営で、JRホテルのフラグシップ的な存在です)。
アインシュタイン、ヘレン・ケラーなど内外の著名人、皇族の宿泊も多く、風雅なメインダイニングルーム「三笠」では伝統のフランス料理を味わうことができます(創業以来続く歴代の料理長から受け継いできたレシピも)。
レストランは、外来での利用も可能です。
文化財登録:国の登録有形文化財

六甲山サイレンスリゾート(旧六甲山ホテル)|兵庫県

所在地:兵庫県神戸市灘区六甲山町南六甲1034
内容:昭和4年、六甲山の山上に宝塚ホテルの分館として創業(山小屋風ホテルの先駆けとなるデザイン)。
宝塚が阪急翼下となったことを受け、阪急経営となり、阪急阪神第一ホテルグループのフラグシップ的な存在でしたが、耐震性の問題から営業を終了。
八光自動車工業がホテルを取得し、令和元年7月20日、「六甲山サイレンスリゾート」として旧館と展望レストランが再オープン。
宿泊施設は数年後にオープン予定となっており、現在は「空のダイニング」、旧館2階のカフェテリアが営業。
文化財登録:国の近代化産業遺産のみ

雲仙観光ホテル|長崎県

所在地:長崎県雲仙市小浜町雲仙湯ノ里320
内容:九州が上海などと航路で結ばれた時代、外国人避暑地として注目された雲仙に、アルプス山小屋風を基調にした外観の本格的なリゾートホテルとして昭和10年10月10日、誕生。
竹中工務店の設計・施工第一号ホテルで、格調高いインテリアも自慢です。
雲仙のシンボル的な存在で、200畳の広さを誇るダイニングルームは秀逸。
ダイニングは予約が必要ですが(ランチは前日まで、ディナーは3日前までに要予約)、ラウンジは気軽に利用ができます。
温泉地だけに「硫黄泉浴室」がありますが、タイルをアールデコ調のデザインにするなどのこだわりも(露天風呂もあります)。
文化財登録:国の登録有形文化財

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掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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