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岩手山の山体膨張が継続、噴火警戒レベルが初めて2に引き上げ!

岩手山

山体膨張を示す地殻変動が観測されている岩手山ですが、気象庁は2024年10月2日15:00に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き上げました。岩手山が噴火警戒レベル2となるのは初めてのことで、水蒸気爆発の可能性が指摘されています。

地元の自治体は、登山道を閉鎖して入山規制を開始

岩手山では、周辺の傾斜計やひずみ計、GNSS連続観測では、2024年2月頃から山体の深いところの膨張を示す地殻変動が観測されています。
国土地理院の「だいち2号」(陸域観測技術衛星2号)の干渉SAR(微小な地表の動きとその時間変化を捉えることができる解析手法)の解析結果では、大地獄谷周辺に、衛星に近づく変動が見られることから、大地獄谷付近のごく浅いところの膨張が疑われています。
それに加えて、黒倉山付近で発生している微小な火山性地震は、増減を繰り返しながら引き続き観測されています。

このことから気象庁では「今後、西岩手山(大地獄谷・黒倉山から姥倉山)の想定火口からおおむね2km範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性がありますので警戒してください」と警戒を呼びかけています。

火山災害を防ぐための防災上の警戒事項として、「西岩手山の想定火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体などの指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。また、噴火時には火口の風下側では火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください」としています。

岩手山の噴火警戒レベルが「2」になるのは、噴火警戒レベルの運用が始まった2007年以降、初めてです。

これを受けて地元の自治体は、地元の滝沢市、八幡平市、それに雫石町の3つの自治体は、避難場所がないことなどを理由に、登山道を閉鎖する入山規制を始めています。

岩手山は、江戸時代には、マグマそのものが噴き出すマグマ噴火が2回発生。
1732年の噴火では有名な「焼走り熔岩流」を生んでいます。

近年では、1919年に今回も警戒されている大地獄谷で、地下水がマグマなどで熱せられ、急激に水蒸気となって噴き出す水蒸気噴火が発生し、噴石が近くの登山道に飛散しています。

掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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