気がついたら降りる駅を通り過ぎていたなんてことは、誰しもが経験すること。単純に、「戻ればいい」というのは、不正乗車にあたります。戻る列車があるなら、乗り過ごした駅でその旨を申告すると「無賃送還」の扱いで正しい下車駅までの運賃が免除される仕組みになっています。
「こだま」と間違って「のぞみ」に乗車した場合は!?
JR東日本の旅客営業規則では、第6款「誤乗及び誤購入」という項目で、第291条「旅客(定期乗車券又は普通回数乗車券を使用する旅客を除く。)が、乗車券面に表示された区間外に誤って乗車した場合において、係員がその事実を認定したときは、その乗車券の有効期間内であるときに限って、最近の列車(急行列車を除く)によって、その誤乗区間について、無賃送還の取扱いをする」と規定され、さらに「前項の取扱いをする場合の誤乗区間については、別に旅客運賃・料金を収受しない」と定められています。
これが「無賃送還」の取り扱いですが、不正乗車を疑われないためにも、乗り過ごした駅で正直に乗り過ごしを申し出ることが大切です。
当然、帰途、途中下車はできません。
また、「無賃送還は、特別車両以外の車両によって取り扱う。ただし、旅客が特別車両券を所持している場合は、特別車両によって取り扱うことがある」とされているので、特急で乗り過ごした際にも一応、駅員に相談するのがいいでしょう。
実際に、東京駅で東海道新幹線「こだま」と間違えて「のぞみ」に誤乗して名古屋駅まで行ってしまったという場合に、車掌に相談して「無賃送還」扱いとなった例があるので、そうした場合も旅客営業規則に「誤乗区間無賃送還の取扱方」という救済策が用意されているので、まずは相談してみるのがいいでしょう。
また、乗車している列車が、事故や大雪・大雨などの災害で運転を中止した際には、旅客営業規則「運行不能及び遅延」には、別ルートで移動できるほか、無賃送還を利用して出発した駅まで戻ることも可能です。
きっぷ(乗車券、特急券、指定席券、寝台券など)を誤って購入した場合は、「その誤購入の事由が駅名の同一・類似その他やむを得ないと認められ、かつ、係員がその事由を認めたときは、正当な乗車券、急行券又は特別車両券に変更の取扱いをする」と記され、ややハードルは高いものの、やむを得ないと認められる理由があれば、手数料なしで変更が可能です。
JRグループの旅客営業規則だけでなく、私鉄もほぼ共通する旅客営業規則を有しているので、まずは相談するのがいいでしょう。
ただし、誤購入の対応に関しては、駅員ですら知らない例があるので注意が必要です。
ちなみに、きっぷをなくしてしまった場合は、発駅からの乗車券や特急券を支払うことになりますが、必ず再収受証明書を受け取っておきましょう。
後からきっぷが出てきた際に、支払った金額が戻ってきます(支払った日の翌日から起算して1年以内で、手数料が必要です)。
列車を乗り過ごした、間違った列車に乗った際には、「無賃送還」の活用を! | |
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